小粒・良質で納豆加工適性に優れる新品種候補系統だいず「東山204号」


[要約]
だいず「東山204号」は「すずこまち」、「コスズ」より晩熟な小粒系統である。子実が「すずこまち」より小さく球形で外観品質に優れ、納豆加工に適する。ダイズモザイクウイルスと紫斑病に抵抗性で、病害粒の発生が少ない。

[キーワード]ダイズ、小粒、ウイルス病、紫斑病、納豆加工適性

[担当]長野中信農試・畑作育種部
[代表連絡先]電話:0263-52-1148
[区分]作物、関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  納豆原料には、小粒で外観品質の優れた大豆が求められている。長野県の小粒品種「すずこまち」はウイルス病に強く病害粒の発生は少ないが、粒形が扁球で「納豆小粒」に比べると粒大がやや大きい。新潟県では、小粒品種「コスズ」に裂皮粒が発生しやすく、ウイルス病抵抗性が十分でないことから褐斑粒対策が必要となっている。
  そこで、「納豆小粒」、「コスズ」並の粒大で、褐斑粒や裂皮粒の発生が少なく品質の安定した小粒大豆品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 「東山204号」は、平成6年に長野県中信農業試験場(農林水産省大豆育種指定試験)において、「納豆小粒」を母、「東山系U455」を父とした人工交配から育成した系統である(表1)。
2. 「すずこまち」、「コスズ」より晩熟で、温暖地では中生種に分類される(表1)。
3. 収量は、標播栽培では「すずこまち」、「コスズ」にやや優り、晩播栽培では「すずこまち」よりやや少ない(表1)。
4. 紫斑粒、褐斑粒、裂皮粒の発生が少なく外観品質に優れる(表1)。
5. 「すずこまち」、「コスズ」より蛋白質含量が少ない(表1)。
6. 「すずこまち」より粒大が小さく球形で(表1)、納豆加工適性に優れる(表2)。
7. 「すずこまち」並にダイズモザイク病と紫斑病に強く(表2)、ダイズモザイクウイルスには病原系統A、B、CおよびDに抵抗性がある。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽培適地は関東・東山、北陸地域で、長野県と新潟県でそれぞれ認定品種、種子対策品種に採用予定である。
2. 小粒で障害粒が少なく納豆加工適性に優れるので、商品性の高い小粒納豆用原料が生産できる。
3. 晩播栽培では生育量を確保するために適切な栽培管理に努める。
4. ダイズシストセンチュウ抵抗性がないので連作を避け、発生したことのある圃場へは作付けしない。


[具体的データ]

表1 「東山204号」の特性一覧表
表2 「東山204号」の病虫害抵抗性、機械収穫適性および加工適性

[その他]
研究課題名:大豆新品種育成試験
予算区分:指定試験
研究期間:1994〜2006年度
研究担当者: 矢ケ崎和弘、山田直弘、坂元秀彦、谷口岳志、袖山栄次、高松光生、高橋信夫、元木悟、牛山智彦、重盛勲、西牧清、田中進久、小林勉

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