愛知県水田輪作ほ場における帰化アサガオの発生動向と畦畔除草剤の効果


[要約]
水田輪作体系において、帰化アサガオの発生ほ場数はダイズの作付けにより増加し、水稲2作でも減少しない。また、ダイズ作ほ場で畦畔から15m以上帰化アサガオが侵入すると、次作ダイズでは全面にアサガオが発生する。畦畔除草剤としてはグルホシネート液剤、ビアラホス液剤の株元散布がアサガオ類の防除効果が高い。

[キーワード]帰化アサガオ、発生動向、水田輪作、畦畔除草、ダイズ

[担当]愛知農総試・作物研究部
[代表連絡先]電話:0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  2004年に帰化アサガオ類(以下アサガオ類)の発生状況を調査したところ、1998年頃からの発生が農家の間で問題となり始め、急速に発生が拡大してきていることが判明した(関東東海北陸研究成果情報2004年)。その後も発生面積の拡大はもとより、その発生密度の拡大が危惧されている。
  そこで、2004年に発生状況調査行った地区で発生動向を調査し、除草方法の確立、拡散防止のための資料とする。また、前回調査で畦畔からアサガオ類が侵入しているほ場を多く確認したため、畦畔除草剤の効果について検討を行う。

[成果の内容・特徴]
1. ダイズ連作およびダイズ-水稲-ダイズの体系でアサガオ類の発生ほ場率は増加する(表1)。
2. 水稲を2作続けたほ場ではアサガオ類の発生ほ場率、発生草種は増加しない(表1)。
3. ダイズ作期にアサガオ類が発生したほ場では、次作以降の水稲収穫後にもアサガオ類が発生し、発生場所も拡大する(表1)。
4. アサガオ類が畦畔のみに発生したほ場では、次の大豆作付け時にはほ場内の畦畔際で発生する。畦畔から15m程度侵入したほ場では、次作大豆ではほ場内全体で発生する(表1)。
5. 畦畔用除草剤ではグルホシネート液剤、ビアラホス液剤は株元散布でもアサガオ類の防除効果が高い(図1)。グリホサートイソプロピルアミン塩液剤、グリホサートアンモニウム塩液剤は効果が低い(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 水田輪作ほ場におけるアサガオ類のまん延予防には、畦畔に侵入した時点の除草剤による早期防除が有効である。
2. アサガオ類の発生するほ場は、同一耕作者のほ場に拡大していく傾向がある(観察結果)ので、収穫作業等はアサガオ類の発生ほ場を最後にするなど、作業計画に留意する。
3. アサガオ類の発生草種が減った2地区は、2004年調査では畦畔又は畦畔際で数本の発生であり調査後除草された可能性が高い。


[具体的データ]

表1 2004年にアサガオ類の発生を確認したほ場の作付体系と2006年の発生状況
図1 各種畦畔用除草剤のアサガオ類株元散布による防除効果

[その他]
研究課題名:大豆・小麦の高品質化技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2004〜2008年度
研究担当者:平岩確、林元樹、杉浦和彦、野村有美

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