米及び米加工品における難消化性澱粉の測定 |
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[要約] |
米及び米加工品中の難消化性澱粉含量は人工消化法を用いることで測定が可能である。 |
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[キーワード]難消化性澱粉、米、米加工 |
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[担当]新潟農研・食研セ・穀類食品科
[代表連絡先]電話:0256-52-3238
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]研究・参考 |
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[背景・ねらい] |
難消化性澱粉(Resistant Starch)は食物繊維と同様の栄養機能的な効果、例えば低カロリー食品としてだけではなく、食後血糖値上昇の抑制等の効果で注目を浴びており幅広い分野で研究されている。しかしその分類や分析法は各種存在しており、対象とする食品それぞれで適切な対応が求められる。そこで米およびその加工品における難消化性澱粉について測定・比較するための方法を開発する。 |
![]() [成果の内容・特徴] |
1. |
精白米、凍結乾燥した炊飯米、素焼き煎餅生地を1.0mm以下に粉砕したものを試料とする。 |
2. |
操作手順(図1)に従って測定した消化残渣量を開始時試料重量に対する比で表したものを難消化性澱粉含量とする。 |
3. |
精白米、炊飯米試料について、「試料の全糖量」、「図1の手順に従い酵素を反応させた後の上清遊離糖量(消化反応後に遠心分離した上清中の遊離糖量)」、「全糖量と上清遊離糖量の差」、「反応後にろ過器で捕集した消化残渣量」をそれぞれ図2に示す。人間が消化し難い精白米に比べ、消化できる炊飯米試料では消化反応後の上清遊離糖量が増加する。それぞれの試料における全糖量と消化反応後の上清遊離糖量の差は消化残渣量と良く対応しており、人間の実際の消化反応を反映した現実的な数値として評価できる。 |
4. |
アミロース含量の異なる9品種の消化残渣量を測定した場合、精白米ではアミロース含量に関係なく約80%程度の数値となる(図3)。 |
5. |
9品種の米で製造した炊飯米、素焼き煎餅の数値を比較すると、アミロース含量が高いほど難消化性が高い傾向を示す(図4)。 |
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![]() [成果の活用面・留意点] |
1. |
米粉、炊飯米、素焼き煎餅等の米及び米加工品の難消化性澱粉測定を対象とした場合であり、上記方法で澱粉以外に消化残渣として残る成分が多い食品は別途試験方法について検討が必要である。 |
2. |
試料は1.0mm以下に粉砕したものを使用する。 |
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[具体的データ]
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![]() [その他] |
研究課題名:新形質米の機能性を活用した新食品の開発 安全でおいしい「ブランド新潟」食品の開発
予算区分:国補(公募)、県単経常
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:本間紀之、赤石隆一郎、吉井洋一
発表論文等:本間ら(2008)日本食品科学工学会誌55(1):18-2 |
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