施設トマト茎葉残さを同一経営体内の水田で利用するための簡易堆肥化技術


[要約]
夏期に排出される施設トマトの茎葉残さは、施設内でカッターによる細断後フレコンバッグ内に充填・静置することで堆肥化が可能である。また、その作業時間は10a当たり11.6人・hである。

[キーワード]トマト茎葉残さ、簡易堆肥化

[担当]神奈川県農業技術センター・経営情報研究部・農業環境研究部
[代表連絡先]電話:0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
栽培終了後のトマト茎葉残さは、以前は堆積処理や乾燥後焼却処理が行われていたが、地域によってはいずれの処理もできなくなり、代替となる簡易かつ安価な処理技術が望まれている。
 そこで、夏期に栽培終了するトマトの茎葉残さを対象に、個々の生産者で実施可能な安価かつ簡易な堆肥化技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. トマト茎葉残さの堆肥化は、飛散を防ぐことができ堆肥化後の運搬が容易なフレコンバッグ内で行う。フレコンバッグの容積は500L程度とし、その半量程度の茎葉残さを投入する。
2. トマト茎葉残さの堆肥化は、施設内でカッターにより細断しながらフレコンバッグ内に充填し、2週間程度施設の換気窓を閉めた状態で静置する(図1)。堆肥化後はフレコンバッグを施設外に搬出し、保管した後、同一経営体内の田等へ投入する。
3. 換気窓を閉めた施設の日最高気温は50〜60℃となり、施設内に静置したフレコンバッグ内のトマト茎葉の品温は中心部で60℃以上となる。
4. フレコンバッグ内のトマト茎葉の含水率は、堆肥化前に69.8%、施設内静置期間(14日間)後に中央部で62.8%、端部で29.3%となる。
5. フレコンバッグ内のトマト茎葉はCN比が低下し、堆肥化が進む(表1)。
6. トマト茎葉残さ堆肥は、堆肥化により27%(1/3)に減量化され、その肥効は牛糞堆肥程度である(表1)。
7. 堆肥化処理作業は10a当たり11.6人・hであり(表2)、栽培終了時から次作定植時までの休栽培期間(7月下旬から8月中旬まで)に確保できる。

[成果の活用面・留意点]
1. マニュアルは、神奈川県農業技術センターHPよりダウンロード可能(pdfファイル)。
URL; http://www.agri-kanagawa.jp/nosoken/kankyo/2009/zansarecycle200906.htm
(リサイクル型養液栽培のすすめ〜有機性廃棄物のリサイクル〜)
2. 堆肥化の状況によっては病害虫残存の可能性があるので、トマトの作付けを行う予定のない水田に施用する。
3. 神奈川県内の施設トマト農家が保有する施設面積は平均24.6a、水田面積は平均18.6aであるので、同一経営体で利用可能である。
4. 堆肥化作業の農機具(カッター:使用割合15.7%)費は7,469円/10a、諸材料(フレコンバッグ)費6,300円/10a、光熱水(ガソリン114.7円/L)費は69円/10aである。

[具体的データ]

図1 細断作業風景

表1 トマト茎葉堆肥重量及び成分分析値 

表2 各作業時間(10a当たり)

[その他]
研究課題名:養液栽培システムより排出される有機性廃棄物の農業利用法の確立
予算区分:新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者: 深山陽子、竹本稔、室井義広

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