作業時間を60%以下に短縮できる三年子ラッキョウ平畝床4条植え半自動移植機


[要約]
4条植え三年子ラッキョウ用移植機である。福井県における平畝床縦植え栽培に対応しており、植付け作業時間を手植えに比べて60%以下に短縮できる。苗立ち率は90%以上で手植えと同等である。

[キーワード]ラッキョウ、三年子、移植機

[担当]福井農試・栽培部・作物研究グループ、園芸研究グループ
[代表連絡先]電話:0776-54-5100
[区分]関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
福井県は、全国のトップブランド特産品である三年子ラッキョウ「花らっきょ」の産地である。しかし、近年生産者の高齢化、夏季の高温等の過酷な条件下での手作業中心の重労働であることから、作付面積が年々減少している。
 そこで、ブランド産地の拡大・発展のために、移植作業の省力、軽労働化を目指し、三年子ラッキョウ半自動移植機を開発する。

[成果の内容・特徴]
本機のベースはI社製タマネギ移植機である。
1. 1. 上部と下部にある種球供給カップに補助カップを入れ、上部種球供給カップはφ60mmからφ23mm、下部種球供給カップはφ75mmからφ35mmにカップ形状を小さくすることで三年子ラッキョウが種球供給部から植え付け部に落ちる時の姿勢が安定する(図1表1)。
2. 2. ラッキョウの植付け姿勢が安定するように植え付けホッパー先端の形状を円錐形から砲弾形に変更した。さらに、試作した作溝装置を植付け部前方に取り付けた。作溝装置を取り付けることで、移植直後に植え付け穴が埋まるのを防ぎ、苗立ち率を高く維持することができる。圃場傾斜角-3.5〜4.4%の範囲では苗立ちの違いはなく、苗立ち率は手植え2球植えと同等である(図1表2)。
3. 3. 作溝装置を設置することで20%前後のスリップが生じるが、圃場条件に合わせてギヤを切り替えることで、目標とする株間12cmに植え付けを行うことができる。
4. 4. 10aあたりの所要時間は、手植え(2人組)が条間30cm、株間18cmの2球植えで8.6時間であるのに対し、機械植え(2人組)は条間25cm、株間12cmの1球植えで5.1時間で、約60%に短縮できる(表3)。
5. 5. 手植えと機械植えでは栽植密度と一株当たり球数が異なるため、機械植えの栽植様式では植付け球数が3割程度少なくなるが、収量は手植えと同等である(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]
1. 1. 植え付けは事前に2g以下の小さな種球やゴミなどを取り除いて行う。
2. 2. 作業速度が速すぎると、植え付け姿勢の悪化や欠株が発生しやすいため、株間12cmでは4.2cm/s以下で作業を行う。
3. 3. 乾燥した圃場では植え溝がすぐに埋まり苗立ちが悪くなるため、植え付け前には十分に散水し、圃場が乾燥する前に作業を終えるようにする。
4. 4. 本機の価格は140万円程度である。

[具体的データ]
図1 主な改良点
表1 改良前後の植え付け姿勢 表2 植え付け条件と苗立ち
表3 機械植えと手植えの作業時間
[その他]
研究課題名:ラッキョウの省力機械化技術の確立
予算区分:地域科学技術振興
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:和田陽介、田安拓馬、見延敏幸、田中豊実、村田英一郎

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