加工用ホウレンソウ収穫機は収穫時間を1割に短縮できる


[要約]
加工用ホウレンソウ収穫機は電力で駆動し、収穫作業能率が高く収穫の作業時間を手作業に比べて約10分の1に短縮することが可能である。

[キーワード]ホウレンソウ、加工用野菜、機械収穫

[担当]埼玉農総研・園芸研究所露地野菜担当、食品開発流通担当
[代表連絡先]電話:049-285-2206
[区分]関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
ホウレンソウの収穫・調製にかかる時間は全作業時間の90%を占めることから、取引単価が低い加工用の生産での作業の省力化が求められている。野菜茶研と(株)ニシザワが開発した加工用ホウレンソウ収穫機は作業能率が高く、収穫作業での大幅な省力化が期待できる。現在埼玉県内でも加工用ホウレンソウ栽培が行われているが、収穫作業は手作業で行われており今後の需要増加に対応していくには労力・コスト両面で限界がある。今後加工用ホウレンソウ栽培は、県内だけでなく遊休農地等を利用して全国に広まっていくとみられ、本収穫機の基本性能を明示してその導入の促進に資する。

[成果の内容・特徴]
1. 本収穫機は、総てを電力(バッテリー)で駆動させる。バリカン刃(刈幅約120cm)で刈り取りを行い、コンベアーでコンテナ(寸法:70×47×34cm程度、2個)に収穫物を収納する。(図1)(表1
2. 本収穫機はベット幅約110cm6条マルチ栽培(3615マルチ使用)のホウレンソウを、作業(収穫)速度0.059m/sで収穫することができる。(図1
前述の条件で栽培された平均草丈約50cm(9月18日播種、11月10日収穫)のホウレンソウ(品種:クロノス)をマルチ面からの刈り高さ約18cm〜1.5cmで収穫した場合165〜267kg/a(外品を除く)の収量が得られる。(図2
3. 本収穫機は収穫時のコンテナ交換には15秒/回かかり、ホウレンソウの収量に応じて1〜2m走行ごとに交換が必要となる。収穫時の作業時間はベット幅約110cm6条マルチ栽培(3615マルチ使用)のホウレンソウを作業速度0.059m/sで作業を実施した場合4.23時間/10aかかる。収穫の際収穫機の操作に2人、コンテナ運搬・交換に2人が必要で、収穫時の総作業時間は、16.9時間/10aとなり、収穫機の能率は手作業の作業時間(165時間/10a)の約10分の1になる。
本収穫機は、連続作業時間は約17時間程度であるため一回の充電で約40a程度の収穫が可能である。バッテリーの充電にはほぼ1日かかる。(表1

[成果の活用面・留意点]
1. ホウレンソウ収穫機の導入により加工用ホウレンソウの収穫作業の大幅な効率化が図られる。
2. 収穫機は1〜2m程度走行するとコンテナ交換(2個)が必要になり、収穫作業にあたり多数のコンテナ(10aあたり約400〜500個程度)が必要である。
3. 収穫機は現在開発中で2010年夏に販売予定である。

[具体的データ]
図1 加工用ホウレンソウ収穫機

表1 加工用ホウレンソウ収穫機仕様

表2 加工用ホウレンソウ収穫機作業能率

図2 収穫機使用時刈り高さ別収量
[その他]
研究課題名:加工・業務用ホウレンソウ低コスト生産体系の確立
予算区分:研究成果実用化促進事業
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:岩崎剛、本間利明、富田廣、太田友代(埼玉農総研)

目次へ戻る