トウモロコシ乾燥蒸留かす(DDGS)を活用した肉牛育成用発酵TMRの開発


[要約]
DDGSは、トウモロコシや大豆粕の代替飼料として発酵TMRに20〜40%混合でき、調製後の品質も良好で開封後も10日間は劣化せず、飼料摂取量や発育にも差は認められない。

[キーワード]DDGS、肉牛育成用、発酵TMR

[担当]群馬畜試・大家畜係
[代表連絡先]電話:027-288-2222
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(大家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
環境問題への関心の高まりや原油価格の高騰等により、石油代替燃料としてのエタノール需要が拡大し、米国ではトウモロコシからのエタノール生産が急増している。そのため飼料用トウモロコシ価格、さらには購入飼料全体の価格が高騰している。これにより、畜産農家は危機的な状況にあり、低価格飼料の開発が求められている。
 そこで、バイオエタノール発酵残さであるトウモロコシDDGSを新たな飼料原料として最大限活用し、さらに、ビール粕等の製造副産物も活用した発酵TMRを開発する。

[成果の内容・特徴]
1. トウモロコシDDGSを20〜40%混合して発酵TMRを調製する(表1)。発酵TMRは細断型ロールベーラで成形し、ラップ処理を行い、1ヵ月以上発酵させてから給与する。トウモロコシDDGSを20%混合するとトウモロコシと大豆粕のおよそ半分、40%混合するとほぼ全てを代替できる。
2. トウモロコシDDGSを混合した発酵TMRの乾物中粗脂肪含量は6.0〜19.3%となり、トウモロコシDDGSの混合割合が多いほど高くなるが、粗蛋白質、粗繊維、TDN等に差は認められない(表1)。
3. 発酵TMRの品質(pH・VBN/T-N・V-score)は良好である(表2)。
4. 開封後の発酵TMR内部温度は40%混合で10日、20%では15日後から上昇し、二次発酵が認められる(図1)。
5. 交雑育成牛に給与しても飼料摂取量や発育に差は認められない(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. トウモロコシDDGSを活用した発酵TMRは肉用育成牛に利用できる。
2. トウモロコシDDGSはトウモロコシに比べ粗蛋白質(4倍)、粗脂肪(3.6倍)および 粗繊維(3.9倍)含量が高い。
3. 発酵TMRは開封後10日以内の使用が望ましい。
4. トウモロコシDDGSはゴールドタイプの使用が望ましい。

[具体的データ]
表1 配合割合および成分分析値(%) 表2 発酵TMRの品質
図1 開封後の発酵TMR内部温度 表3 飼料摂取量および日増体量
[その他]
研究課題名:新たな飼料原料を活用した発酵TMRの開発
予算区分:県単
研究期間:2008年度
研究担当者:浅田勉、角田成幸、甫立京子(畜産草地研)、松本博((株)東日本くみあい飼料)
発表論文等:浅田ら(2009)群馬畜産研報、(16):8-18

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