飼料用米の加工および給与方法の違いが乾乳牛の消化性に及ぼす影響


[要約]
飼料用米(籾米)の加工処理(粉砕、籾すり、発芽)や、玄米のTMR給与により、乾乳牛での糞中への未消化籾または玄米の排泄率が低下し、デンプンの消化性は向上する。

[キーワード]飼料用米、乳牛、消化性、加工処理、給与方法

[担当]岐阜畜産研・酪農研究部
[代表連絡先]電話:0573-56-2769
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(大家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
飼料用米は、水田の有効活用や輸入濃厚飼料の代替となる国産穀物飼料として注目を集め、生産拡大が図られている。一方、乳牛への飼料用米給与に関する情報は少なく、消化特性に関する知見も十分ではない。そこで、乳牛での飼料用米の消化特性を明らかにするため、飼料用米品種「ホシアオバ」を用いて、籾米の加工方法(粉砕、籾すり、発芽)および玄米の給与方法(分離給与、TMR給与)の違いが乾乳牛への消化性に及ぼす影響について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 籾米を2mm粉砕した粉砕区、籾すりした籾すり区、発芽率75%で発芽させた発芽区と加工処理を行わない未処理区の4区により、飼料乾物中10%量を非妊娠乾乳牛4頭に給与した場合(表1)、各加工処理により未処理に比べて糞中への未消化籾排泄率が低下し、デンプン消化率は向上する(表2)。
2. 玄米を分離給与とTMR給与により飼料乾物中25%量を非妊娠乾乳牛4頭に多給した場合(表1)、TMR給与にすると分離給与に比べて糞中への未消化玄米排泄率は低下し、デンプン消化率は向上する(表3)。
3. 本試験における供試牛の血液性状(血糖、尿素窒素、肝機能)には処理区間に差はなく異常は認められない。

[成果の活用面・留意点]
1. 乳牛向け飼料に飼料用米を混合する際の基礎データとして活用できる。
2. 本試験は、飼料用米の消化特性の解明を目的に非妊娠乾乳牛を用いて行った結果であり、妊娠及び分娩への影響については検討を行っていない。
3. 飼料用米の給与について、籾米の加工法比較試験は、各処理とも朝夕の1日2回分離給与で行い、玄米の給与法比較試験は、分離区が朝夕の1日2回、TMR区が1日4回の等分給与で行った。

[具体的データ]
表1.供試飼料の構成 

表2.未消化籾排泄率、消化率およびTDN含量

表3.未消化玄米排泄率、消化率およびTDN含量
[その他]
研究課題名:温暖地向け飼料米品種を用いた飼料米の乳牛及び肉用牛への給与技術の確立
予算区分:委託プロ(えさ)
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:浅井英樹、吉村義久、野中和久(畜産草地研)

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