飼料用玄米の加工処理方法と栄養価の関係


[要約]
飼料米を乾物比で40%混合した飼料において、玄米を蒸気加熱圧ぺん、破砕、粉砕処理することで、飼料用玄米の可消化エネルギーは40%程度向上する。

[キーワード]飼料用米、加工処理、乳牛、栄養価

[担当]新潟農総研・畜産研・酪農肉牛科
[代表連絡先]電話:0256-46-3103
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(大家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
飼料用米は、飼料自給率を高めるために必要な飼料原料となる。一方、飼料用米はそのまま給与した場合、稲発酵粗飼料を給与する場面でも問題となっている未消化子実の排せつによる栄養価の低下が危惧されることから、何らかの加工処理が必要と考えられる。
 そこで、飼料用玄米を蒸気加熱圧ぺん、粉砕、破砕の処理を施した場合の栄養価を明らかにするために、玄米を比較対象に、乾乳牛を用いた出納試験を行い、その効果を評価する。

[成果の内容・特徴]
1. 1.イタリアンライグラスサイレージを乾物として60%、飼料米を40%給与する条件において、玄米を無処理のまま(玄米区)、蒸気加熱圧ぺん処理したもの(圧ぺん区)、破砕処理したもの(破砕区)、粉砕処理したもの(粉砕区)をそれぞれ給与する4区を設定し、4頭の乾乳牛を用いて、4×4ラテン方格法により、1期を14日(本期5日間)とする出納試験を行った(飼料米の形状は図参照)。
2. 玄米をそのまま給与すると、未消化子実が排せつされるため、可消化エネルギーが低下するのに対し、蒸気加熱圧ぺん、破砕、粉砕処理すると、その栄養価は大きく向上する(表2)。また、玄米給与に比べて、加工処理したものを給与すると繊維の消化率が低下する。
3. 飼料用米を給与する際の加工処理の違いは、ルーメン内容液性状、血液性状に大きな影響を及ぼさない(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 試験には、系統名:北陸193号の玄米を用い、蒸気加熱圧ぺんは、90℃の蒸気で10分蒸した後ローラーで圧ぺんし、粉砕は、カッティングミルにより2mmメッシュを通過させ、破砕は、中央農業総合研究センターおよび畜産草地研究所において共同開発された飼料米破砕機の原型機を用いて、破砕ローラーの隙間を1mm程度に設定し、処理したものである。なお、飼料米破砕機は、平成21年9月から市販されている。
2. この成果で得られた飼料米の栄養価は、本試験に入る前に、ホルスタイン種乾乳牛4頭を用い、イタリアンライグラスサイレージの栄養価を把握し、同じ牛を用いて本試験で得られた結果をもとに間接法により飼料米の栄養価を求めたものであり、生産レベルの飼料摂取量では、栄養価の低下が見込まれる。
3. 子実消化に関するデータは、玄米区についてのみ調査し、玄米の摂取量、5日間の排ふん量およびそのふん中の未消化子実割合(全ふんの20%を水洗)をもとに求めた。
4. 血液およびルーメン内容液は、朝の給餌後5時間に、血液は頸静脈より、ルーメン内容液は経口で採取した。

[具体的データ]
表1 供試飼料の成分組成(乾物中%)
表2 飼料全体の消化率(%)および加工処理別のエネルギー価 表3 ルーメン内容液および血液性状
図 供試した飼料用米の形状
[その他]
研究課題名:稲発酵粗飼料、稲わら等自給粗飼料と地域資源を活用した発酵TMR調製・給与技術の開発
予算区分:委託プロ(えさ)
研究期間:2006〜2009年度
研究担当者:関誠、小橋有里、島津是之、高橋英太

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