生乳ホルモン測定キットを応用してウシの発情・黄体期が判定できる


[要約]
生乳ホルモン測定キットを応用し、プロジェステロン1ng/mL標準液(空色)と生乳の発色を比較し、生乳の発色が濃いと発情、薄ければ黄体期と判定できる。

[キーワード]発情判定、牛乳、P測定キット

[担当]福井畜試・肉牛バイテク研究G
[代表連絡先]電話:0776-81-3130
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(大家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
乳牛繁殖成績の改善には現場で客観的に判断できる発情周期の簡易診断技術が必要である。そこで生乳中ホルモン測定キットを応用し、生乳を使った発情や黄体期の判定法を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. 検査には、表1のとおりキット(牛乳中P測定キット「KMK」)のプレート(96ウェル 8連結ウェル×12)を2連結ウェルに切断して検査器具とし、同封されているプロゲステロン標準液1ng/mLを対照として比較検査する。検査の判定は、発色液投入5分後の発色性と投入30分後の色調で行う。
2. キットで測定した生乳中P値は、図1のとおり、発情日に1.5±0.4ng/mLと最も低く、発情前後4日目には10ng/mL以上となる。また、発情日の色調は最も空色が濃く、その前後では薄くなる。
3. キットによる簡易検査では、表2のとおり、発色液投入5分後に発色し、30分後に対照と同じく濃い色調を発情、投入5分後では発色せず、30分後に対照より薄い色調を発情前後、5分後に発色せず、30分後に透明なものを黄体期と判定する。
4. 簡易検査は必要に応じて2日間隔で2〜3回実施し、表3のとおり、検査結果の組み合わせで総合的に判定する。

[成果の活用面・留意点]
1. 繁殖検診前に酪農家等が本検査を実施することで、獣医師による診断の参考となる。
2. 検査対象となる検体は、分娩後の発情周期回帰牛の生乳とする。1回の検査で、発情周期の発情、発情前後、黄体期のいずれの時期にあるかを判定できるが、発情前か後かの判定には2〜3回の検査が必要である。また、外部徴候を加味した上で診断を行うことで判定の精度がより高まる。

[具体的データ]
表1 検査方法
表2 発情周期の判定基準
図1 発情前後と生乳中プロジェステロンの推移
表3 発情周期の簡易検査
[その他]
研究課題名:乳牛の繁殖機能診断技術の確立
予算区分:交付金(地域科学技術振興研究事業)
研究期間:2008〜2010年度
研究担当者:田中健、竹内隆泰、近藤守人

目次へ戻る