トウモロコシ乾燥蒸留かす(DDGS)の採卵鶏飼料への配合メリット


[要約]
DDGSはトウモロコシや大豆粕の代替として、採卵鶏の生産性を損なうことなく飼料に40%配合でき、また、卵黄の着色効果のあるキサントフィルや有効リンが多く、この供給源として利用できる。

[キーワード]採卵鶏、飼料原料、乾燥蒸留かす、DDGS

[担当]群馬畜試・中小家畜係
[代表連絡先]電話:027-288-2222
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
配合飼料価格が高値で推移しているため、飼料費の節減を目的にバイオエタノールの副産物として生産されるトウモロコシの乾燥蒸留かす(以下、DDGS)の養鶏飼料への活用法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. DGSを40%飼料に配合しても(表1)、生産性(表2)や卵黄色以外の鶏卵品質(表3)に影響はない。また、DDGSを多配合すると飼料中のリジン含量が減少するが、鶏の要求量を満たしていれば、リジンを添加しなくても生産性は問題ない。
2. 卵黄色はDDGSの配合量の増加に伴い濃くなり、カラーファンの値は高くなる。これは、濃縮されたトウモロコシ由来のキサントフィルによるものである(表3)。
3. トウモロコシや大豆粕と代替すると、代替した飼料原料との価格差により、飼料費の節減が可能である。また、キサントフィルの供給源としても活用でき、有効リンが多いことからリン酸カルシウムの節減も期待できる。
4. DDGSは製造工程により栄養価が異なるため、栄養価が高く安定しているものを選定し使用する。今回、使用したDDGSの栄養価はCP27.25%、ME2,900kcal/kg、有効リン0.56%、リジン0.94%、総キサントフィル7.49mg/100gである。

[成果の活用面・留意点]
1. DDGSは粒度が細かいため多配合すると、飼料の全体の粒度が細かくなるので、飼料搬送機のトラブルに留意する必要がある。
2. DDGSは製造過程で栄養成分が濃縮されるが、この際にカビ毒等も濃縮されるので、十分に品質管理されたものを使用する。

[具体的データ]
表1 試験区分
表2 産卵成績(151〜510日齢)
表3 鶏卵品質
[その他]
研究課題名:バイオエタノール蒸留かすの飼料化研究
予算区分:県単
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:後藤美津夫、井田まさみ(JA東日本くみあい飼料(株))

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