高タンパク質・高脂質エコフィードのコマーシャル採卵鶏への応用


[要約]
家畜への飼料利用が困難な高タンパク質・高脂質エコフィードを飼料原料として25%配合し赤玉卵産出鶏および白玉卵産出鶏に給与した結果、両銘柄ともエコフィード給与区の産卵および卵質成績は対照区と同等である。

[キーワード]高タンパク質・高脂質食品残さ、赤玉卵産出鶏、白玉卵産出鶏、産卵成績、卵質成績

[担当]千葉畜総研・生産技術部・養豚養鶏研究室
[代表連絡先]電話:043-445-4511
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
低・未利用食品残さの利用技術の開発を目的として、家畜飼料では利用が困難とされている高タンパク質・高脂質の食品残さ由来のエコフィードを、白玉卵産出鶏(ジュリア)と赤玉卵産出鶏(ボリスブラウン)に給与し、応用が可能かを検討する。

[成果の内容・特徴]
 弁当のおかず、惣菜などの高タンパク質・高脂質素材(H、CP22.5%、EE24.7%)、ご飯、パンなど低タンパク質・低脂質素材(L、CP9.2%、EE4.5%)を加熱乾燥処理したものを飼料原料とする。配合割合はH0%・L0%(対照区)、H20%・L10%(20%区)、H25%・L5%(25%区)である。ジュリアとボリスブラウンをそれぞれ144羽用い12羽×4反復/群の3群を設け、141日齢から給与を開始し、4週間を1期間として成績を取りまとめる。
1. 体重はボリスブラウンでは試験期間を通して各区間差は見られないが、ジュリアでは200日齢にエコフィード給与の両区が対照区より、350日齢では20%区が他の2区より重い値を示す (p<0.05)(表1)。
2. 全期間の平均産卵成績は、産卵率、産卵日量、飼料摂取量、飼料要求率に各区間差はみられないが、卵重は両銘柄とも25%区が対照区より軽い値を示す(p<0.05)。
3. 全期間の平均卵質成績は、卵殻厚、HU、卵黄色に各区間差はみられないが、卵重はジュリアの25%区が対照区より、卵殻強度はボリスブラウンの25%区、ジュリアのエコフィードの両区が対照区よりも低い値(p<0.05)を示す。しかし、これらの値はすべて正常値の範囲内である(表3)。
4. 排泄ふん中の水分率は、ボリスブラウン、ジュリアともに、エコフィード給与の両区が高く推移し、全期間の平均値でも高い値を示す (p<0.05)。
5. 調査期間中の卵の総生産額と総飼料費から試算した1羽あたりの利益は、ボリスブラウンの対照区が1,948円、20%区が2,310円、25%区が2,403円、ジュリアの対照区が1,901円、20%区が2,238円、25%区が2,149円である。

[成果の活用面・留意点]
1. 低・未利用のエコフィードの有効利用により飼料自給率の向上と飼料費の軽減が期待される。
2. 高タンパク質・高脂質エコフィードの配合割合によっては飼料中のNa含量が高くなり、排泄ふん中の水分含量の増加がみられる。

[具体的データ]
表1 エコフィード給与後の体重の推移 (g)

表3  全期間の平均卵質検査成績
表4 排泄ふん便中の水分率推移 (%)
[その他]
研究課題名:低・未利用食品残さの高度利用技術の開発
予算区分:実用技術
研究期間:2008〜2010年度
研究担当者:松本友紀子、村野多可子

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