肉豚にリキッドフィードを給与することにより増体量、飼料要求率が改善できる


[要約]
酢飯を配合したリキッドフィードを肉豚に給与することにより、増体量、飼料要求率が改善され、乾物排泄量が30%低減できる。また、リキッドフィードを日本飼養標準に基づく定量給餌することにより、厚脂が軽減され、並の割合が少なくなる。

[キーワード]肉豚、リキッドフィード、酢飯、定量給餌、乾物・尿排泄量

[担当]愛知農総試・畜産研究部・豚グループ
[代表連絡先]電話:0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
乳酸発酵に適していると思われる単味の食品残さ(酢飯)を活用し、これを一次培養した乳酸発酵液と配合飼料との混合した発酵リキッドフィードに最適な給餌方法について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 飼養試験は三元交雑種(LWD)36頭を用い、酢飯を配合したリキッドフィードを不断給餌する区及び定量給餌する区、マッシュ飼料を給与する対照区の3区を設け、体重50kgから110kgまで給与する。ふん・尿排泄量は飼養試験とは別の去勢4頭(平均体重48kg)を代謝ケージに収容し、対照区、リキッド区に各2頭を割り付ける。体重の3%量(乾物)の飼料を給与し、7日間の予備試験期間後、4日間、ふん・尿排泄量を採取し、その後、飼料を逆にし、同様の試験を反復する。なお、マッシュ飼料の栄養価はCP15%−DE3,400kcal/kgである。
2. 発育試験については、1日平均増体量はリキッドフィード不断給餌がマッシュ飼料不断給餌に比べ、有意に優れる。また、飼料要求率(乾物当たり)はリキッドフィード不断給餌及び定量給餌がマッシュ飼料不断給餌に比べ、有意に優れる(表2)。
3. 枝肉成績については、歩留まりはリキッドフィード不断及び定量給餌がマッシュ飼料不断給餌に比べ、優れる。また、背脂肪厚はリキッドフィード不断給餌がマッシュ飼料不断給餌に比べ、厚くなるが、リキッド飼料を定量給餌すると厚脂が低減する(表2)。
4. 枝肉の格付け成績はリキッドフィード不断及び定量給餌がマッシュ飼料不断給餌に比べ、上物率が低い傾向が見られる。また、リキッドフィードを定量給餌することにより、並の割合が低減される傾向を示す(表3)。
5. 乾物排泄量はリキッド飼料を給与することにより、マッシュ飼料給与に比べ、約30%低減する。また、尿排泄量はリキッド飼料給与がマッシュ飼料給与に比べ、2.9倍増加する(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 脂肪含量の低いリキッド飼料の給与方法として活用できる。
2. リキッドフィードの定量給餌量はDE要求量の要求量を満たすように設定したので、CP/DE比が低い場合にはベースミックスでCPを高める必要がある。
3. リキッドフィードにおいてはふん排泄量は減少するが、尿量が増えるため、この点については留意する必要がある。

[具体的データ]
表1 試供リキッド飼料の配合割合及び栄養成分値(分析値、乾物中)
表2 発育成績(50〜110kg)及び枝肉成績
表3 枝肉の格付成績及び格落理由
表4 乾物・尿排泄量(n=4)
[その他]
研究課題名:単味の食品残さを活用した発酵リキッドフィーディング技術の確立
予算区分:研究成果実用化促進事業
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:大口秀司、木村藤敬、深谷秀巳、山本るみ子、河野建夫

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