飼料米を配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料給与による豚肉生産技術


[要約]
肥育後期に、飼料米を15%配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料を給与したところ、発育及び窒素排泄量は、トウモロコシを主体とした低蛋白質アミノ酸添加飼料と同等であり、生産性を維持しつつ環境への負荷が軽減されるとともに、皮下脂肪内層の脂肪酸組成も変化する。

[キーワード]飼料米、肥育後期、低蛋白質、窒素、脂肪酸組成

[担当]富山畜研・養豚課
[代表連絡先]電話:076-469-5901
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
近年、飼料米を活用した養豚が行われており、地域との連携を基盤とした資源循環型の養豚経営を安定的に継続するには、生産性を損なわず飼料米給与にかかる生産コストを抑制し、環境負荷軽減のための窒素排泄量低減が必要となる。
 肥育豚から排泄される窒素やリン等の環境負荷物質を低減するためには、飼料中の粗蛋白質割合を削減し不足する必須アミノ酸を添加した、低蛋白質アミノ酸添加飼料の給与が有効であることが知られている。玄米はトウモロコシと同等の栄養価を有しており、飼料米を配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料の給与することで、同等の発育及び窒素排泄量低減効果が期待できる。
 一方、玄米はトウモロコシと比較して脂肪含量が少なく、多価不飽和脂肪酸割合が低い特徴を持つことから、飼料米給与による皮下脂肪の脂肪酸組成への影響を明らかにする必要がある。
 そこで、飼料米を配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料を肥育豚に給与し、窒素排泄量低減効果及び豚肉生産と皮下脂肪の脂肪酸組成に及ぼす影響を解明する。

[成果の内容・特徴]
1. 供試飼料中の主要原料配合割合を、表1に示す。飼料米を15%あるいは30%配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料を、肥育全期間(体重30〜110kg)に給与したところ、嗜好性に問題はなく、発育は慣行飼料と同等である(表2)。
2. 窒素排泄量については、飼料米を15%配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料を給与した場合、慣行飼料と比較して、肥育前期(体重30〜70kg)では約20%、肥育後期(体重70〜110kg)では約40%の窒素削減効果が得られる(図1)。
3. 肥育後期に、飼料米を15%配合した飼料を給与することにより、飼料米の給与量を抑制しつつ、リノール酸を含む多価不飽和脂肪酸割合が低下する(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 飼料米を配合した低蛋白質アミノ酸添加飼料を給与した場合でも、窒素排泄量が減少することから、環境への負荷が軽減できる。
2. 肥育後期における飼料米配合飼料給与により、皮下脂肪内層の脂肪酸組成が変化し、特色ある豚肉生産に活用できる。
3. 飼料米は、玄米を粉砕し2mmのふるいを通したものを給与する。

[具体的データ]
表1 供試飼料中の主要原料配合割
表2 肥育全期間飼料米給与における発育成績
図1 一日アタリの窒素排泄量(各区n=6)

表3 飼料※給与量と皮下脂肪内層の脂肪酸組成
[その他]
研究課題名:高品質豚肉生産のための飼料米給与技術の開発
予算区分:実用技術
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者:新山栄一、水木亮史、山岸和重、廣瀬富雄

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