玄米を活用した低蛋白質・高カロリー飼料の給与で豚肉の粗脂肪含量が増加する


[要約]
配合飼料をコシヒカリ玄米で50%まで代替し、低蛋白質高カロリーの飼料として出荷前1カ月間給与すると、発育は変わらずに、胸最長筋中の粗脂肪含量が増加する。

[キーワード]肥育豚、飼料米給与、筋肉内脂肪

[担当]福井畜試・家畜研究部・中小家畜研究グループ
[代表連絡先]電話:0776-81-3130
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
輸入に依存しているトウモロコシに代わり、地域で生産された飼料米の利用が進められている。本県では、ブランド豚肉の生産拡大を推進しており、特色ある豚肉の生産技術の確立が求められている。
 そこで、肥育豚に対するコシヒカリ玄米の給与割合の違いが、発育や肉質に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 場内試験として、豚肥育後期用配合飼料(配合飼料)を玄米に15%、30%、50%代替する玄米代替区と配合飼料のみ給与する対照区を設け、LW種去勢肥育豚を各区4頭用い、出荷前1カ月間給与する。
2. 現地実証試験として、養豚農家において、配合飼料を玄米に25%代替する区と配合飼料のみ給与する対照区を設け、LW種去勢肥育豚を各区5頭用い、出荷前1カ月間給与する。なお、場内試験、現地実証試験ともに、玄米は破砕する。
3. 玄米の代替割合を高くすると、粗蛋白質が低くTDNが高い低蛋白質・高カロリー飼料となる(表1)。
4. 玄米を50%まで代替しても日増体量は変わらず、枝肉成績にも差はない(表2)。
5. 胸最長筋中の粗脂肪含量は、対照の2.1%に対し、玄米50%代替では4.0%と有意に増加する(表3)。
6. 現地実証試験で生産された豚肉を使用し、男女47名をパネラーとして、「悪い・少し悪い・普通・少し良い・良い」とする5段階評価で官能検査した結果、総合評価で「少し良い」「良い」の割合が、対照の30%に対し、玄米代替は44%と高い。特に脂肪の甘みの評価が対照の26%に対し、玄米代替は45%と高い(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 肥育豚に玄米を給与する場合は、破砕(2o以下)する必要がある。
2. 玄米の混合は、飼料撹拌機を用いるか、飼料タンクに投入する際に、配合飼料と混合しながら入れる。

[具体的データ]
表1 栄養価
表2 発育・枝肉成績
表3 肉質成績および胸最長筋の脂肪酸組成
図1 各設問で「少し良い」「良い」と回答したパネラーの割合
[その他]
研究課題名:県内産飼料資源を活用した脂肪交雑豚肉生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2009〜2010年度
研究担当者:小林直樹、辻本賢二郎、伊達毅

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