飼料イネの熟期ごとのβ‐カロテン含量推移と糖含量


[要約]
飼料イネ10品種のβ‐カロテン含量は乳熟期で乾物中平均122mg/kg、糊熟期で99mg/kg、黄熟期で69mg/kgであり、その推移は品種によって異なる可能性がある。また、単少糖含量は乾物中1.0〜5.6%で、単少糖含量はV2‐スコアと高い相関がある。

[キーワード]飼料イネ、β‐カロテン、糖

[担当]福井畜試・家畜研究部・資源活用研究グループ
[代表連絡先]電話:0776-81-3130
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(草地)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
肉用牛においてビタミンAを制御した肥育を行う場合、飼料中のβ‐カロテン含量に留意する必要があるが、飼料イネは熟期によってその含量が大きく異なるため利用上注意を要する。また、飼料イネは形態的に、乳酸菌の増殖にとって好ましい条件ではない上、その基質である糖分は少なく劣質サイレージになりやすいとされる。飼料イネをより使いやすいものとするため熟期ごとのβ‐カロテン含量の推移と、単少糖含量について調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 飼料イネ専用10品種を密度20.8株/m2、各品種12.5 m2の2区制で2009年4月28日に移植し、窒素施肥量を基肥7kg/10a、穂肥1(幼穂形成期)3.5kg/10a、穂肥2(幼穂形成期から10日後)3.5kg/10aで栽培する。
2. 飼料イネの各品種のβ―カロテン含量は乳熟期で乾物中99〜187mg/kgで平均は122mg/kg、糊熟期では59〜143mg/kgで平均99mg/kg、黄熟期では43〜100mg/kgで平均69mg/kgである。また、熟期毎のβ―カロテン含量の推移は品種によって異なる可能性がある(図1)。
3. 飼料イネの各品種の黄熟期における単少糖含量(フルクトース+グルコース+スクロース)は乾物中1.0〜5.6%で10品種中最も高いのは「中国飼198号」で、次いで「はまさり」である(図2)。
4. 飼料イネ新鮮物中の単少糖含量と密封パウチ法によるサイレージ調製後のV2−スコアには高い相関(r=0.8899、p<0.01)がある(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. ビタミンA制御を行う肉用牛向け飼料イネの収穫・調製時の参考となる。
2. 発酵品質を考慮した品種の選定の参考となる。
3. 単年度の栽培試験によって得られた分析結果である。

[具体的データ]
図1 飼料イネの乾物中β-カロテン含量
図2 黄熟期の乾物中糖含量 図3 糖含量とサイレージ発酵品質の関係
[その他]
稲発酵粗飼料の品質向上・増収技術の開発
予算区分:国補(地域科学技術振興研究事業)
研究期間:2009〜2011年度
研究担当者:山田真吾、村田文彦

目次へ戻る