堆肥の肥料成分を勘案した施肥量計算シート「施肥○くん」


[要約]
家畜排せつ物由来の堆肥に含まれる肥料成分を有効活用するために、簡単な条件入力作業のみで堆肥および化学肥料の施肥量を算出する計算シートである。

[キーワード]堆肥、肥料、施肥量

[担当]石川畜総セ・技術開発部
[代表連絡先]電話:0767-28-2284
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]技術および行政・普及

[背景・ねらい]
家畜ふん堆肥を有効利用した土づくりと作物や環境に適切な施肥を推進するためには、堆肥の肥料成分を勘案した施肥量の決定が必要となる。しかし、家畜ふん堆肥は畜種、水分調整材、堆肥化方法などの違いによって肥料成分の含量および肥効が異なるために施肥量の計算は利用する堆肥毎に行う必要があり、かつ非常に煩雑である。
 そこで、家畜ふん堆肥の肥料成分を有効活用するために簡単な条件入力作業のみで堆肥および化学肥料の施肥量を算出する計算シートを作成した。

[成果の内容・特徴]
1. 堆肥の肥料成分を勘案した施肥量計算シート「施肥○くん」は、「家畜ふん尿堆肥早わかりマニュアル」(2004、石川県)に基づき、堆肥中の肥料成分を化学肥料の代替として活用することを前提に作成した施肥量計算シートであり、MicrosoftExcel2000以上で作動する。
2. 本計算シートは「入力・計算シート」及び「基肥データベース」、「堆肥データベース」、「化学肥料データベース」で構成されている。なお、「堆肥データベース」は県内で生産された家畜ふん堆肥の成分および窒素肥効率が収録されている。
3. 窒素の代替率は牛ふん堆肥30%、豚ふん堆肥60%、鶏ふん堆肥60%で計算される。また、窒素の肥効率は、県内で生産された個々の堆肥データに基づいた値を採用する。施用する堆肥を「入力・計算シート」上で選択すると、「堆肥データベース」から「入力・計算シート」に肥効率が自動で入力される。リン酸とカリの肥効率はそれぞれ80%、90%である。
4. 本計算シートの使い方
1)「作物名」の選択、2)「栽培面積」の入力、3)「基肥(成分量)」の設定、4)「施用する堆肥」の選択、5)「施肥設計」で化学肥料を選択することにより、堆肥および化学肥料の施肥量が簡単に計算できる(図1図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 施肥量計算シート「施肥○くん」は、石川県畜産総合センターのホームページから入手可能で、本計算シートを活用することにより、利用する堆肥に応じた施肥設計を行うことが期待される。
2. 1)堆肥に起因する生理障害や虫害による根の発育不良や品質低下、2)連年施用による塩類集積、3)堆肥の施用時期の違いや連用により(窒素)肥効に差が生じる等のことから、1)良質な堆肥を選択すること、2)土壌診断による土壌蓄積養分量および作物の生育状況を勘案した肥培管理が重要である。

[具体的データ]
図1 計算シートの使い方−「作物名」の選択
図2 計算シートの結果(例)
[その他]
研究課題名:需要適応型堆肥の安定生産利用技術試験
予算区分:県単
研究期間:2003〜2008年度
研究担当者:坂本卓馬
発表論文等:坂本卓馬(2009)石川県畜産総合センター研究報告、第41号:18−20

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