「青島温州」の作業環境を改善するための樹高切り下げ法


[要約]
「青島温州」の樹高を2mに切り下げた樹形改造は、作業を省力・軽労働化し、年間作業時間を約3割短縮できる。収量は処理年では少なくなるが、樹冠容積当たり収量が増加するため、3年後には慣行栽培と同程度になる。

[キーワード]ウンシュウミカン、「青島温州」、樹高切り下げ、省力化

[担当]静岡農林技研・果樹研セ
[代表連絡先]電話:053-334-4853
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
静岡県のカンキツ栽培地域では、担い手の減少・高齢化等により労働力が不足し、産地の維持が困難な状況にある。このため、既存園の作業条件を改善し、簡易な栽培技術を開発する必要がある。そこで作業の省力・軽労働化を目的として、既存の開心自然形樹の樹高を2mに切り下げた栽培方法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 樹高切り下げは、処理3年後も樹高が約2mに維持され、樹冠上部が切除されているため樹冠容積は開心自然形樹よりも小さくなる(表1)。
2. 樹高切り下げは、開心自然形樹と比べて処理年から3年目まで果実品質に明らかな差がない(表2)。
3. 樹高切り下げにより収量は処理年では少なくなるが、樹冠内部の相対照度が向上して(データ略)受光態勢が改善されるため、樹冠容積当たりの収量が増加し、3年後には開心自然形と差がない(表3)。
4. 樹高切り下げでは、せん定、摘果作業の労働強度が軽くなる。また、せん定、薬剤散布、摘果、収穫において作業時間が短縮するため、10a当たりの年間作業時間が開心自然形より32%短縮する(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 徒長枝の発生を抑えるため、切り下げ処理は表年の樹に対して発芽前に実施する。
2. 切り下げ処理は樹勢に対する影響が大きいため、弱樹勢樹や強樹勢樹には適用しない。

[具体的データ]
 表1 樹高切り下げが生育に及ぼす影響
表2 樹高切り下げが処理後3年目の果実品質に及ぼす影響
 表3 樹高切り下げが収量に及ぼす影響
表4 樹高切り下げが労働強度および年間作業時間に与える影響
[その他]
研究課題名:柑橘園の簡易栽培システムの開発
予算区分:県単
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:後藤浩文、浜部直哉、磯部卓文、澤野郁夫

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