ウメ「福太夫」を用いた白干梅の品質向上のための収穫期指標


[要約]
ウメ「福太夫」の白干梅用の青梅収穫適期は胚固化完了期からの平均気温の積算値と平均果実重を用いる。収穫開始期は胚固化完了期からの平均気温の積算値が350以上で平均果実重が24g以上である。

[キーワード]ウメ、福太夫、白干梅、収穫期

[担当]福井園試・ウメ研究グループ
[代表連絡先]電話:0770-32-0009
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
ウメは開花期の年次間差が大きいことや、果色の変化が乏しいこと、白干梅品質は加工後の評価になることから収穫適期を見きわめにくい。このため、福井県における主要品種「紅サシ」では開花期からの平均気温の積算値や胚固化完了期を収穫期の判断に利用している。「福太夫」は2005年に登録された白干加工に向いた品種であるが、白干梅用の青梅収穫期指標が確立していない。このため、時期別に果実を収穫し、塩漬け、天日干し、白干梅品質調査により収穫指標を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 開花期は天候の年次変動の影響を受けやすい。胚固化完了期は年次変動が小さく、安定しているので生育ステージの指標として適する(表1
2. 未熟果を塩漬け、天日干しすると果実が萎縮し硬くなり、「ガリ」と称される規格外品になる。胚固化完了期からの平均気温の積算値(以下:積算値)が270以下では各階級とも、「ガリ」、C級、B級品の率が高い。積算値が350を超えると各階級とも「ガリ」の発生は少なくなり、品質の良いA級品率が高くなる(表2)。
3. 積算値が350を超え、平均果実重が20g以上になると「ガリ」の発生率は10%以下に抑えられる(図1)。
4. 積算値が350を超え、平均果実重が24g以上になるとA級品率が高くなる。一方、積算値が350を超えても平均果重が24g未満の場合、A級品率は向上しない(図2)。
5. 50%以上のA級品を得るためには、積算値350以上、平均果実重24g以上を目安に白干梅用青梅の収穫を行う(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 胚固化完了期は平均的な果実を10個採取し、縫合線に沿って切断し、核の中の胚が種皮長まで生長したものを完了とし、10個ともそろった時期を完了期とする。
2. 平均気温のデータはアメダスや各地域に設置してある記録計のデータを用いる。
3. 収穫開始初期は階級指標板を用いL〜2Lの果実を収穫することにより、白干梅の品質が向上する。
4. 小玉果は白干梅品質が良くないので、果実肥大促進のためせん定による着果制限を行う。

[具体的データ]
 表1.「福太夫」の開花期・結実率・胚固化期完了期の年次変動
 表2 異なる収穫時期の階級別白干梅品質
  図1 ガリ発生率に及ぼす胚固化完了期からの平均気温積算値と果実重の影響図2 A級品率に及ぼす胚固化完了期からの平均気温積算値と果実重の影響
[その他]
研究課題名:ウメの早期成園化と果実特性に応じた加工技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2005〜2009年度
研究担当者: 山本 仁、堀江俊也、小川晋一郎

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