鉢花イチゴ「桜香」「紅香」の12月及び3月上旬出荷技術


[要約]
「桜香」「紅香」ともに、9月下旬に花芽分化を確認後鉢上げを行い、最低夜温10℃で管理すると12月中旬に、11月上旬までに鉢上げを行い、12月上旬より最低夜温10℃で加温を開始し、ミツバチを放飼すると3月上旬までに出荷可能である。

[キーワード]イチゴ、鉢花、作型、桜香、紅香

[担当]千葉農林総研・生産技術部・花植木研究室
[代表連絡先]電話:043-291-9988
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
本県で新たに育成されたイチゴ2品種「桜香」「紅香」は、花色がそれぞれ桃花と紅花で、従来の観賞用イチゴに比べ花が大きく、食味がよい等、鉢花としての新たな需要が期待される。イチゴの鉢物の多くは実取り用親株や緑化素材としての苗物流通が大半である。そのため、鉢花としての基本的な栽培管理方法や作型に関してほとんど研究されていない。そこで、需要が見込まれる12月及び3月上旬の出荷作型での栽培管理技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. ミツバチを放飼することで、「桜香」の第1果の果実重は増加する(表1)。
2. 9月下旬に鉢上げし、11月上旬より最低夜温を10℃に維持することで、12月中旬までに出荷が可能である(表1)。
3. 12月出荷の作型では、基肥は、「桜香」「紅香」とも緩効性化成肥料(N-P2O5-K2O:6-40-6)を培養土1Lあたり4g、追肥は、「桜香」では錠剤型緩効性肥料(N-P2O5-K2O:12-12-12)小粒(0.8g)を月に1回鉢当たり1粒、「紅香」では中粒(1g)を月に1回鉢当たり1粒施用すると、大果の着色果実を付けたボリュームのある鉢物となる(表2)。
4. 11月上旬に鉢上げを行い、12月上旬より最低夜温で10℃に加温し、1月以降ミツバチを放飼することで、第1果着色日が「桜香」は10日程度、「紅香」では1か月程度早まり、3月上旬までに出荷が可能である(表3)。
5. 3月上旬出荷の作型では奇形果の発生が顕著となるが、12月上旬に加温を開始しミツバチを放飼すると、「桜香」「紅香」ともに第1果から奇形果はなく、鉢花イチゴとして出荷可能となる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 3月出荷作型の場合、鉢上げ時に出蕾している頂花房は全て摘除し、草勢の維持を図る。
2. 草勢を維持するため5号鉢以上の大きさのものを用いる。
3. 炭そ病、ハダニ類及びアザミウマ類の発生に注意し、適切な防除を行う。

[具体的データ]
表1 ミツバチ放飼が鉢花イチゴの開花・結実に及ぼす影響(12月出荷の作型)
表2 施肥量の違いが鉢花イチゴの生育に及ぼす影響(12月出荷の作型)
表3 ミツバチの放飼と加温時期が鉢花イチゴの生育、開花に及ぼす影響(3月出荷の作型)
 
[その他]
研究課題名:鉢花イチゴの栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:市東豊弘

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