切り花に適したユリ咲きチューリップ「新潟6号」、「新潟7号」、「新潟8号」の育成


[要約]
ユリ咲きのチューリップ3品種を育成した。花色は「新潟6号」が濃赤、「新潟7号」は極淡黄色から白色に変わり、「新潟8号」は濃紅に黄色覆輪である。3品種ともに促成切り花及び露地花壇に適している。

[キーワード]チューリップ、ユリ咲き、促成切り花、露地花壇

[担当]新潟農総研・園芸研・育種栽培科
[代表連絡先]電話:0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
新潟県は全国でもトップクラスのチューリップ切り花及び球根の産地であるが、近年、消費の低迷等により生産量が減少している。そこで、新潟県オリジナル品種を育成し、チューリップ産地の活性化とブランド力の強化を図る。ここでは、促成栽培でボリューム感のある切り花が得られるユリ咲き品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 育成経過
「新潟6号」:平成3年に一重遅咲き品種「バストン」を種子親、ユリ咲き品種「ダイアニト」を花粉親として交配した。
「新潟7号」:平成3年にユリ咲き品種「レッドシャイン」を種子親、ユリ咲き品種「ジャクリーン」を花粉親として交配した。
「新潟8号」:昭和62年に一重遅咲き品種「クインオブナイト」を種子親、ユリ咲き品種「アラジン」を花粉親として交配した。
実生個体群から花色、花型、草姿等が優れた系統として選抜し、特性検定の結果、有望と判断して平成18年に育成を完了した。
2. 花型は3品種ともユリ咲きで、花色は「新潟6号」が「ダイアニト」よりやや濃い赤色、「新潟7号」は極淡黄色から白色に変化する。「新潟8号」は濃紅に黄色の覆輪で地色と複色のコントラストがはっきりしている(図1)。
3. 露地における開花期は4月下旬で、観賞期間は「新潟7号」が長く、他2品種も対照品種よりやや長い(表1)。
4. 花丈は40cm以上あり、対照品種と比べて同程度からやや高い(表1)。
5. いずれの品種も促成切り花に適しており、「新潟6号」、「新潟7号」は促成栽培で年内採花が可能で、ボリュームのある切り花が得られる。「新潟8号」は促成栽培では1月上旬採花となる(図2及び表1)。
6. 9cm球を用いた球根肥大性試験では3品種とも11cm以上に肥大し、球重増加率も高く、球根収量性は優れている(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 新潟県内のチューリップ生産地全域に適する。
2. 球根の養成栽培ではほ場裂皮を抑えるため、多肥を避けて適切なかん水管理と適期収穫につとめる。
3. 「新潟6号」、「新潟7号」、「新潟8号」は平成21年に品種登録済みである。
4. 球根生産は新潟県内に限るものとする。

[具体的データ]
図1 「新潟6号」、「新潟7号」、「新潟8号」の露地栽培における花型
図2 「新潟6号」、「新潟7号」、「新潟8号」の促成栽培における草姿
表1 「新潟6号」、「新潟7号」、「新潟8号」の開花特性
表2 「新潟6号」、「新潟7号」、「新潟8号」の球根肥大特性(100球あたり)
[その他]
研究課題名:チューリップの新品種育成
予算区分 :県単
研究期間 :1985〜2005年度
研究担当者:渡邉祐輔、中野太佳司、宮島利功、小泉薫、宮嶋一郎、大塚英昭、小野長昭

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