チューリップ切り花栽培における空気膜ハウスの省エネルギー効果


[要約]
チューリップ切り花栽培では、空気膜ハウスは暖房燃料消費量を約20%削減できる。

[キーワード]チューリップ、空気膜ハウス、暖房燃料消費量、削減

[担当]新潟農総研・園芸研・環境・施設科
[代表連絡先]電話:0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
近年、原油価格の高騰から施設園芸における省エネルギー栽培技術の開発が求められている。空気膜ハウスは保温性が高く、省エネ効果が期待されるが、その効果は品目や気象条件によって異なる。そこで、空気膜ハウスのチューリップ切り花における省エネ効果を明らかにし、生産拡大・所得向上を図る。

[成果の内容・特徴]
1. ハウス内の日平均気温や地温はほぼ同一温度で推移する(データ略)。
2. 暖房燃料消費量は、ハウスの空気膜化により約20%削減できる(図1)
3. 空気膜ハウスの資材費の単年度負担額は、空気膜ハウスでは慣行ハウスと比較して30坪ハウスで約9,000円増える(表1)。
4. 30坪ハウスで促成作型+半促成作型での灯油消費量は1,475Lであり、エネルギー消費コストの差額が資材費単年度負担額の差額を上回る(表1)。
5. 空気膜ハウス導入による経費を回収できるのは、灯油単価70円の場合、30坪ハウスでは年間1,300 L、60坪ハウスでは約2,000 L以上消費する場合である(図2)。
6. 空気膜ハウスにおける生育状況や到花日数に慣行ハウスとの差はなく、切り花ボリュームや葉色、花色などの品質は同等である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 園研センター内の間口3間×奥行き10間のパイプハウスで、加温設定温度を昼温(9:00〜16:00)18℃、夜温(16:00〜9:00)13℃とした結果である。
2. 外張り被覆資材は、天面は慣行ハウスには0.13mm厚の農ビ、空気膜ハウスには0.1mm厚の農PO2枚を使用し、側面と妻面については両ハウスともに0.13mm厚の農ビを使用した。また、加温期間には慣行ハウス、空気膜ハウスともに内張として天面に0.075mmの農ビ、側面に吸湿性フィルムを展張。
3. 暖房機は温風暖房機(熱量 12,000kw)を使用。

[具体的データ]
図1 燃料消費量
表1 資材費とエネルギー消費量の比較
代 空気膜ハウス導入コストを回収できる灯油使用量の単価別試算値
表2 被覆資材が到花日数と切り花品質に及ぼす影響
[その他]
研究課題名:県ブランド品目拡大緊急技術確立
予算区分:県単事業
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:種村竜太、渡邉祐輔、増田浩吉

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