イチゴ「とちおとめ」の畝上げ後土壌消毒における窒素の動態と生育


[要約]
イチゴ「とちおとめ」における畝上げ後土壌消毒では、慣行法の畝上げ前土壌消毒と比較して土壌中の無機態窒素含有量が高く推移し、植物体の窒素吸収量が多くなることにより初期生育が旺盛になる。また、根量も多く、収量が増加する。

[キーワード]イチゴ、土壌消毒、窒素の動態

[担当]栃木農試・いちご研究所・開発研究室、環境技術部・土壌作物栄養研究室
[代表連絡先]電話:0282-27-2715
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
イチゴ生産において萎黄病の発生が年々増加傾向にあり、廃作する事例も見られることから、萎黄病に対して高い防除効果が確認されている畝上げ後土壌消毒が広く普及してきている。しかし、慣行法の畝上げ前土壌消毒と施肥体系が異なることから、窒素の動態と生育特性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 畝上げ後土壌消毒では、畝上げ前土壌消毒に比べて葉柄長、葉身長、葉幅ともに定植後1か月の生育が旺盛になる。また、根量も多くなり、3月までの可販果収量が増加する(表1)。
2. 畝上げ後土壌消毒では、畝上げ前土壌消毒に比べて土壌中の窒素の無機化が促進されるとともに肥料からの窒素成分が溶出するため、2か月後までの無機態窒素含有量が高くなる(表2)。
3. 畝上げ後土壌消毒では、畝上げ前消毒に比べて定植後から12月までの窒素吸収量が高い(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 適応する作型は、促成栽培である。

[具体的データ]
表1  土壌消毒法の違いがイチゴ「とちおとめ」の初期生育および収量に及ぼす影響
表2  土壌消毒法の違いが土壌中の無機態窒素量に及ぼす影響
表3  土壌消毒法の違いがイチゴ「とちおとめ」の窒素吸収量に及ぼす影響
[その他]
研究課題名:萎黄病防除に適したいちご栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:植木正明、大島正稔、鈴木骰_、直井昌彦

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