樋型容器によるジネンジョ新芋の形状改善および軽労化・密植栽培


[要約]
芋誘引資材として樋型栽培容器(軒樋)を用いることで、波板で栽培するより短い新芋をパイプ型より少ない容器内土量で生産でき、芋の形状も改善できる。さらに、慣行(約2200株/10a)の2〜4倍の密植栽培により400g程度の芋が効率よく生産できる。

[キーワード]ジネンジョ、ヤマノイモ、軽労化、樋型容器、いも形状

[担当]愛知農総試・山間農業研究所・園芸グループ
[代表連絡先]電話:0565-82-2029
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
日本原産のヤマノイモ類であるジネンジョ(Dioscorea japonica Thunb.)は、比較的小面積で高収益を上げられる地域特産品として各地で栽培されている。しかし近年、パイプ容器や波板などを利用した、1本500g以上の贈答用芋の需要頭打ちによる売れ残りや労力負担が問題となっている。また、パイプ容器では新芋が扁平となる傾向がある。そこで、樋型容器を利用して、業務用及び市場流通にも対応できる、400g程度の揃いの良い高品質な新芋の密植栽培により軽労化と効率的生産の確立を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 市販の樋型容器(軒樋)とジネンジョ栽培で普及しているパイプ容器及び波板(図1)を用いて慣行の栽植密度(2200株/10a)で栽培した場合、収量は900〜1000kg/10aで差はない(データ略)。
2. ジネンジョの特性として新芋は細く長く伸長するが、作業性を向上させるにはできるだけ太く短い芋が望ましい。波板を使った栽培では、芋の断面形状は円に近く優れるものの、芋が長くなる傾向がある。樋型容器を利用することにより、芋の長さを平均で約10cm抑えることができ、掘り取りが容易になる(図2)。
3. 容器内に土を詰めた状態での重量はパイプ容器の約5kg/本に対し、樋型容器は約2〜3kgであり軽労化を図ることができる(データ略)。また、樋型容器を用いることにより、パイプ容器で問題となっている芋の扁平化を軽減することができる(図2)。
4. 500g以上の芋の生産をめざす慣行栽培では、40g以上の種芋(芽付き1本芋)が必要とされるが、300〜500gの芋を生産するためには、より養成が容易な30g前後の種芋で十分である(表1)。
5. 樋型容器は、高さ(厚み)がパイプ容器の約半分であるため、面積当たりの埋設本数を容易に増やすことができる。栽植密度を上げると芋1本重は軽くなり、300g以上の芋(可販芋)の割合は減る。慣行の約2〜4倍の栽植密度(4444〜8889株/10a)により、400g前後の揃った可販芋を1000〜1900kg/10a得ることができる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 樋型容器(軒樋)は、市販の製品を切断して用いる。
2. 本成果は、ジネンジョ品種「稲武2号」(品種登録11719)の中部地方における栽培データに基づいている。

[具体的データ]
図1 供試した栽培容器・資材
図2 栽培容器・資材が芋の横断面の形および芋長に及ぼす影響 表1  種芋重量が新芋収量に及ぼす影響
図3 栽植密度が収量と芋重量に及ぼす影響
[その他]
研究課題名:ジネンジョの用途別省力栽培法の開発
予算区分:県単
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:番喜宏、加藤裕文
発表論文等:番ら(2009)愛知農総試研報、41:177-182

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