木質チップ炭を培地としたキュウリの養液栽培法


[要約]
木質チップ炭を培地としたキュウリの養液栽培では、粒径3〜5mm程度のものを使用し、整枝方法をつる下げ整枝としてEC1.5dS/mの培養液を供給することにより土耕栽培と同等の収量を得ることが可能である。

[キーワード]キュウリ、養液栽培、木質チップ炭、つる下げ整枝

[担当]新潟農総研・園芸研究センター・環境・施設科
[代表連絡先]電話:0254-27-5555
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
土耕栽培で問題となっている土壌病害虫や連作障害は養液栽培で回避でき、キュウリの養液栽培についてはロックウール耕やもみ殻耕で成果が報告されている。しかし、ロックウール耕ではコストや培地更新時の廃棄処理、もみ殻耕では栽培後期の収量低下など課題が残されている。また県内のイチゴやトマトの養液栽培産地ではもみ殻培地においてキノコの発生による生育不良が問題となっている。そこで、安価で使用済み培地を耕地へ還元することが可能な流木や間伐材などのチップ状木質炭化物(チップ炭)を培地としたキュウリの養液栽培法を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. チップ炭の粒径によって収量に差があり、粒径3〜5mmで6〜12mmと比較して約35%高い商品果収量が得られる(図1)。
2. チップ炭は5作連用しても1作目培地と同等の商品果収量が得られる(図1)。
3. 抑制作型における養液栽培の商品果収量は、土耕栽培と比較して側枝の発生が劣るため、摘心整枝では約25%劣るが、つる下げ整枝とすることで摘心整枝と比較して約40%高くなり、土耕栽培と同程度となる(図2)。半促成作型における商品果収量はつる下げ整枝で摘心整枝と比較して約70%高く、栽培後期における収量の落ち込みも見られない(図2)。
4. 主枝を16節程度で摘心し、11節から上位の1次側枝を4本誘引枝として使用し、3〜4日ごとにつる下げ作業を行う(図3)。
5. 培養液管理は、EC1.5dS/mとすることにより、高い商品果収量が得られる(図4)。ただし、排液ECが1dS/m以下となる期間が2週間続くような場合は場合は収量が低下する恐れがあるため、一時的にEC2.0dS/mで管理する。
6. 培養液供給量は、排液率30%を目安に生育ステージや天候に応じて調節し、1回あたりの供給量は0.5L/株として半促成作型では1日あたり1.0〜5.0 L/株、抑制作型では1.5〜4.0 L/株程度とする。

[成果の活用面・留意点]
1. 園研センター内のガラス温室で、流木由来のチップ炭を用いた結果である。
2. チップ炭は、1,500円/100L程度(H21年8月現在、輸送費別)で入手が可能である。
3. 水道水(EC0.08dS/m)を原水に使用し、培養液は大塚B処方を用いた。

[具体的データ]
図1 チップ墨の粒径と使用回数の違いが果収量に及ぼす影響
図2 整枝方法の違いが果収量に及ぼす影響
図3 装置と整枝方法の模式図 図4 培養液濃度が商品果収量に及ぼす影響
[その他]
研究課題名:リサイクル資源を活用した養液栽培技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2003〜2008年度
研究担当者:種村竜太、増田浩吉、倉島裕

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