ペースト化と加熱による中島菜に含まれるACE阻害活性の向上技術


[要約]
中島菜をペースト化し60℃で30分加熱することにより、アンジオテンシンT変換酵素(ACE)阻害活性を向上させることができる。本技術で処理した中島菜をプリン等の食品に添加・加工処理してもACE阻害活性が維持される。

[キーワード]中島菜、ペースト化、60℃30分加熱、ACE阻害活性向上

[担当]石川農研・流通加工グループ
[代表連絡先]電話:076-257-6978
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
中島菜は石川県七尾市中島地区を中心に能登地方で栽培されているアブラナ科野菜である。血圧上昇に作用するアンジオテンシンT変換酵素の阻害活性が高く、加工原料としての利用が拡大している。しかし、収穫時期が冬期間に限られるため通年供給されないことが問題となっており、対策としてペースト化して貯蔵することが考えられるが、加工処理がACE阻害活性に及ぼす影響については不明である。そこで、中島菜ペーストのACE阻害活性を明らかにし、さらに、中島菜ペーストを加工原料として用いた場合のACE阻害活性に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 中島菜ペーストは図1の手順で作成する。
2. 中島菜は、室温条件下でペースト化するとACE阻害活性が向上する。また、氷温条件下でペースト化した場合はACE阻害活性が新鮮中島菜と同程度だが、これを加温するとACE阻害活性が向上する。このことから、中島菜をペースト化する場合に一定の温度を加えることにより、ACE阻害活性を向上させることができると考えられる(図2)。
3. 中島菜ペーストのACE阻害活性が最も高くなる加熱条件は、加熱温度60℃、加熱時間30分である(図3)。
4. 中島菜ペーストをプリンに添加・加工処理しても、添加した中島菜の割合に相当するACE阻害活性が維持される(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. ACE阻害活性を高めた中島菜ペーストを食品・飲料に添加することで、より付加価値の高い商品開発が可能である。
2. 中島菜をペースト化する際には水を加えた方がペースト化しやすく、歩留まりも向上する。
3. 中島菜の中に含まれるACE阻害活性を有する成分は未同定であり、同定に向けた検討を進めている。
4. 本来ACE阻害活性が低いチンゲンサイ、ブロッコリー、ハクサイでも、本技術を適用することによりACE阻害活性を向上させることができる。

[具体的データ]
図1 中島菜ペーストの作成手順
図2 ペースト化処理の有無による中島菜のACE阻害活性
図4 中島菜ペーストの添加の有無によるプリンのACE阻害活性
図3 加熱温度・時間の違いによる中島菜ペーストのACE阻害活性
[その他]
研究課題名:通電処理により中島菜の原形を残しつつ血圧上昇抑制効果を強化した食品素材の開発
予算区分:実用技術
研究期間:2009〜2011年度
研究担当者:山田幸信、吉川基世、中村恵美、三輪章志
発表論文等:「アブラナ科野菜のアンジオテンシン変換酵素阻害活性を高める方法」 特許第4289626号

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