ナス新品種「サラダ紫」の果実品質特性


[要約]
当所育成のナス新品種「サラダ紫」の果実の内容成分等について、市販品種および‘サラダ紫’の類似品種と比較すると、いずれの品種と比べても糖含量と比重は高く、果肉・果皮の硬度は低い。

[キーワード]ナス、品質評価 、内容成分、生食用

[担当]神奈川農技セ・経営情報研究部
[代表連絡先]電話:0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
神奈川県内では190ha、4,500t(神奈川県農林水産統計2008)のナスが栽培・生産されている。当所ではさらなるナスの需要拡大を目指して生食利用も可能な新品種「サラダ紫」を育成した。「サラダ紫」の果実は食味の良さやみずみずしさが評価されていることから、「サラダ紫」の食味を中心とした果実品質特性を明確化するために内容成分等の品質を市販品種等と比較する。

[成果の内容・特徴]
1. 「サラダ紫」の果皮破断強度は「千両二号」や「橘田」より、果肉硬度は 「千両二号」よりも低い(表1)。
2. 果肉総ポリフェノール量は「千両二号」より低く、比重および遊離全糖含有量は「千両二号」や「橘田」よりも高い。特に果糖含有量が高く、遊離全糖中に占める割合が対照品種より高い(表2)。
3. 「サラダ紫」の収穫時期別、年次別の果実品質に差は認められず、品質は安定している。ただし、果皮破断強度については、収穫月が遅くなるにつれ減少する傾向にある(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 果実の硬さは、栽培条件、特に土壌の水分状況と気温に影響される。
2. 生食利用できることが特徴であるが、消費者にとっては馴染みのない食べ方であることから試食等、実際の体験によって味を理解してもらうことが重要である。
3. 生食利用のほか各種加熱調理にも適している。

[具体的データ]
表1 ナス品種別の果実の硬さ
表2 ナス果実の内容成分の品種間差
表3 ‘サラダ紫’の品質の年次間差
表4 ‘サラダ紫’の収穫時期別分析結果(2006) 
 
[その他]
研究課題名:県産農産物の品質特性の解明及び機能性成分の検索
予算区分:県単
研究期間:2005〜2008年度
研究担当者:曽我綾香、吉田誠、小清水正美、北浦健生、北宜裕
発表論文等:曽我ら(2009)神奈川県農業技術センター研究報告151:9-15

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