飛騨・美濃伝統野菜の総ポリフェノール含量と抗酸化活性


[要約]
岐阜県地域特産野菜『飛騨・美濃伝統野菜』計15品目の総ポリフェノール含量とDPPHラジカル補足活性間には高い相関がある。これらが高い品目は、「桑の木豆」、「千石豆」、「あじめこしょう」および「紅うど」の4品目である

[キーワード]特産野菜、ポリフェノール、DPPHラジカル、抗酸化活性

[担当]岐阜生工研・植物機能研究部
[代表連絡先]電話:0574-25-3803
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
岐阜県では、農業を活用した地域振興および農業生産拡大の一環として『飛騨・美濃伝統野菜』事業を実施している。これは生産量が少ない、あるいは生産地域が限られているが、県下で古くから栽培され地域に根ざしている地域特産野菜計25品目を一つの『ぎふブランド』にまとめ、消費者に広くPRするとともに生産および販路の拡大を目指すものである。『飛騨・美濃伝統野菜』に新たな価値を付与することを目的に、植物が有する最も一般的な機能性成分であるポリフェノール化合物含量と抗酸化活性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 『飛騨・美濃伝統野菜』計15品目のうち、総ポリフェノール含量が高いのは「桑の木豆」、「千石豆」、「あじめこしょう」および「紅うど」の4品目である(表1)。
2. 「あきしまささげ」では莢の紫縞の濃淡、「あじめこしょう」では実の熟度(色あい)、そして、「徳田ねぎ」と「飛騨一本太ねぎ」では地際部から地上部と地下部において、総ポリフェノール含量およびDPPHラジカル捕捉活性に大きな違いは見られない(表1)。
3. 『飛騨・美濃伝統野菜』計15品目中、「瀬戸の筍」を除く計14品目の総ポリフェノール含量とDPPHラジカル捕捉活性との間に高い相関がある(図1)。
4. 総ポリフェノール含量が高い「桑の木豆」、「千石豆」、「あじめこしょう」および「紅うど」の4品目は、いずれも高いDPPHラジカル捕捉活性(抗酸化活性)を有する(図1)。
5. 総ポリフェノール含量が低い(100mg/100gF.W.以下)品目では、DPPHラジカル捕捉活性は様々な値を示し、これは有する機能性成分によって抗酸化活性が異なるためと推測される(図1) 。

[成果の活用面・留意点]
1. 総ポリフェノール含量およびDPPHラジカル補足活性には、他にも様々な分析法が存在し、用いる手法によって結果は異なると考える必要がある。
2. 機能性成分含量はサンプルの採取時期や個体(品種)によって異なり、また、流通過程を経るに従い一般的に減少するものと考える必要がある。

[具体的データ]
表1 総ポリフェノール含量およびDPPHラジカル補足活性結果
図1 「飛騨・美濃伝統野菜」における総ポリフェノール含量とDPPHラジカル捕捉活性の関係
[その他]
研究課題名:『飛騨・美濃伝統野菜』における新規機能性成分の探索
予算区分:県単
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者:小枝剛、岡隆史(岐阜保環研)
発表論文等:小枝(2009)園芸学研究.8(1):448

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