マイタケに含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)の迅速分析法


[要約]
マイタケに含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は液体クロマトグラフィー質量分析装置(LC/MS)を用いることで迅速に測定できる。

[キーワード]マイタケ、ビタミンD2、液体クロマトグラフィー質量分析装置

[担当]新潟農研・食研セ・園芸特産食品科
[代表連絡先]電話:0256-52-3240
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]研究・参考

[背景・ねらい]
マイタケに含まれるエルゴカルシフェロール(ビタミンD2)はコレカルシフェロール(ビタミンD3)とともに、腸管でのカルシウムの吸収を促進し骨の形成を助ける栄養素(カルシフェロール(ビタミンD))として栄養機能食品の表示を認められている成分である。「五訂日本食品標準成分表分析マニュアル」にその測定法が記載されているが、分画精製など煩雑で時間のかかる前処理を必要とし製品開発における製造条件検討などでの多数の測定には不向きである。そこで、時間を要さず多数の試料を一括処理し液体クロマトグラフィー質量分析装置(LC/MS)により感度よくマイタケに含まれるビタミンD2を分析する方法を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. マイタケに含まれるビタミンD2はLC/MSを用いることで分画精製など煩雑で時間のかかる前処理をせず測定できる。
2. 測定用の試料は、アルカリ加水分解、抽出、固相抽出による方法で調製できる(図1)。
3. 調製した試料は、図に示した分析条件で測定できる(図2)。
4. 本技術による測定結果の日内変動(n=4、μg/100g、平均±標準偏差)は20635.5±107.4、日間変動(n=16、μg/100g、平均±標準偏差)は20513.0±122.1である。
5. 本技術による測定数値は「五訂日本食品標準成分表マニュアル」(対照方法)のビタミンD測定法による測定数値とほぼ同一である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 乾燥マイタケ粉末100mgであれば測定できる。
2. 本技術を実施するにはLC/MSとそれを使用できる技術が必要である。
3. 乾燥マイタケ粉末5%含有製剤の前処理法を図1に例示するが、試料量によっては使用する測定量について検討する必要がある。
4. 検量線はビタミンD2 0.25〜5μgに内標準物質としてビタミンD3を1μg加え作成する。本法により得られた乾燥マイタケ粉末100mgについてのクロマトグラムを示す(図3)。
5. モニタリングイオンはm/z =397(396+1、ビタミンD2分子量396)および385(384+1、ビタミンD3分子量384)である。
6. ビタミンD3も含有する試料の測定には、内標準物質として安定同位体標識化合物など他の物質を検討する必要がある。

[具体的データ]
図1 操作手順
図2 分析条件 図3 マイタケ粉末中のビタミンDの選択イオン検出クロマトグラム
表1 対照方法による特定との比較結果
[その他]
研究課題名:微生物・酵素を利用した高品質県産品の開発
予算区分: 県単経常
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者: 西脇俊和、浅野聡、中島正晴

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