水稲新品種「彩のみのり」の穂肥施用と収穫適期


[要約]
「彩のみのり」の品質安定化のため、穂肥は出穂前20日に窒素量3kg/10a施用する。収穫適期は、早植栽培では出穂後41〜50日、普通栽培では出穂後43〜55日である。

[キーワード]水稲、栽培管理、施肥、収穫

[担当]埼玉水田農研 米・麦担当
[代表連絡先]電話:048-521-5041
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
埼玉県の中生〜中晩性品種「あかね空」および「朝の光」は食味評価が低く、作付面積は年々減少傾向にある。一方、「アキニシキ」は異品種混入により、今後の作付が難しくなっている。このため、これらの品種と同熟期で、減農薬栽培が可能となる病害虫抵抗性を有し、良質・良食味な新品種の早期普及が急務となっている。
 そこで、2007年度に認定品種に採用された病害虫複合抵抗性品種「彩のみのり」の品質安定化を図るため、穂肥施用と収穫適期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 早植栽培での穂肥は、出穂前20〜15日に窒素成分で3kg/10a施用する。早い穂肥では千粒重が小さくなり、粒が大きいという品種特性を発揮できない。また、遅いと玄米粗蛋白質含量が高まり、食味の低下が懸念される(図1)。
2. 早植栽培での収穫適期は、概ね出穂後41〜50日の10日間で、積算気温1,040〜1,230度、帯緑籾割合80〜50%である(図2)。
3. 普通栽培での穂肥は、出穂前20日に窒素成分で3kg/10a施用する。早い穂肥は千粒重が小さくなり、粒が大きいという品種特性を発揮できない。また、遅いと玄米粗蛋白質含量が高まり、食味の低下が懸念される(図3)。
4. 普通栽培での収穫適期は、概ね出穂後43〜55日の13日間で、積算気温970〜1,190度、帯緑籾割合60〜20%である(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 水田農研内水田(細粒灰色低地土、宝田統)で得られた成果である。
2. 基肥窒素量は5kg/10aを基準とする。
3. 積算気温は、出穂期以降の日平均気温の積算値である。
4. 上記帯緑籾割合は、一粒一粒を目視により判定し、僅かでも緑色が残る籾の割合である。このため、ほ場での達観調査結果に比べ高値となる。しかし、両者には高い正の相関(r=0.789**)が認められ、達観調査では早植栽培で概ね40〜20%、普通栽培は30〜10%が収穫の目安となる。

[具体的データ]
図1 早植栽培の穂肥時期と収量および品質 図2 早植栽培の収穫時期の目安
図3 普通栽培の穂肥時期と収量および品質 図4 普通栽培の収穫時期の目安
[その他]
研究課題名:水稲の中生、中晩生病害虫複合抵抗性品種の早期定着化
予算区分:県単
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:石井博和、関口孝司、岡田雄二

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