ソバ品種における耐倒伏性の品種間差異と関連形質


[要約]
ソバ品種の耐倒伏性は春播き栽培では「キタノマシュウ」、夏播き栽培では「タチアカネ」が優れる。折損株率と折損抵抗値の間には有意な負の相関が認められる。また、夏播き栽培では、主茎傾斜程度と草型との間に強い相関関係が認められる。

[キーワード]ソバ、耐倒伏性、品種間差異、主茎傾斜程度、折損株率、関連形質

[担当]長野野菜花き試・畑作育種部、農林水産省そば育種指定試験地
[代表連絡先]電話:0263-52-1148
[区分]作物、関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
我が国のソバ栽培は土地利用型法人による大型機械を用いた栽培が大多数を占め、機械化収穫に適した耐倒伏性に優れる品種の開発が望まれている。そのため、当場では耐倒伏性品種の育成に取り組み、「タチアカネ」(旧系統名「桔梗3号」)を育成した。今後、更に耐倒伏性の優れる品種育成を進めるため、耐倒伏性の品種間差異とその関連形質を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 耐倒伏性の指標として主茎傾斜程度と折損株率について調査したところ、春播き栽培では主茎の傾斜程度で有意な品種・系統間差が認められ、「キタノマシュウ」が最も程度が低く、「桔梗5号」が高い。また、秋ソバ品種の「信濃1号」も程度が低い。折損株率は「キタノマシュウ」、「信濃1号」が低い傾向がみられる。(表1
2. 夏播き栽培では、主茎傾斜程度と折損株率で有意な品種・系統間差が認められ、前者では「タチアカネ」と矮性系統の「K0430」が低く、「信濃1号」、「常陸秋そば」が高い。後者では「タチアカネ」が低く、「桔梗5号」、「臼田町在来」、「階上早生」、が高い。(表2
3. 折損株抵抗と引き抜き抵抗で有意な品種・系統間差が認められ、前者では「タチアカネ」、「常陸秋そば」が高く、「K0430」、「階上早生」が低く、後者では「常陸秋そば」、「関東1号」、「K0430」が高く、「桔梗5号」、「キタノマシュウ」、「階上早生」が低い(表3)。
4. 折損株率と折損抵抗値との間に (r=−0.779、p<0.05)の有意な負の相関が認められる。
5. 耐倒伏性と植物体特性の間の関連では、主茎傾斜程度は、1株重、草丈、重心高、初花房高と主茎下位節の茎径との比の間で有意な正の相関が認められる(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 耐倒伏性品種の選択に当たっては、耐倒伏性とともに実用形質、地域適応性を考慮する。

[具体的データ]
表1 倒伏性の品種・系統間差(春播き栽培) 表2 倒伏性の品種・系統間差(夏播き栽培)
表3 折損抵抗と引き抜き抵抗 表4 供試品種・系統の草型特性と主茎傾斜程度との相関(夏播き栽培)
[その他]
研究課題名:温暖地、中部高冷地向け高品質、安定生産、機械化適性そば品種の育成
予算区分:指定試験
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:岡本潔、丸山秀幸

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