プロアントシアニジンフリー遺伝子ant28 の選抜に有効なDNAマーカー


[要約]
大麦、育種、DNAマーカー、プロアントシアニジン、低ポリフェノール

[キーワード]

[担当]栃木農試・栃木分場・二条品質指定・二条育種指定
[代表連絡先]電話:0282-27-2711
[区分]作物・冬作物、関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]研究・普及

[背景・ねらい]
大麦に含まれるプロアントシアニジン(PA)は、麦飯の褐変やビールの濁りの原因であり、低ポリフェノール化に向けた育種が行われてきた。近年は、PAフリー(PAF)品種の育成が進められている。そこで、現在有望視されている劣性のPAF遺伝子ant28 の選抜に有効なDNAマーカーを開発し、育種の効率化を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 開発したant28 マーカーOPAp1_1297-AccIの利用条件は以下のとおりである。
Forward primer: AGAGGCAGAGTGTTGCCTTC
Reverse primer: CACGAACCTTGTCCCTTCAG
PCR条件: < 94℃4分−(94℃30秒−55℃30秒−72℃30秒)×35サイクル-72℃5分>
制限酵素処理: AccI
2. 本マーカーOPAp1_1297-AccIはCAPs法による共優性マーカーである(図1)。
3. 本マーカーOPAp1_1297-AccIとant28 は0.41〜1.72%の組換え価で連鎖する(表1図2)。
4. 本マーカーは、国内の大麦主要品種で利用することができる(表2)。
5. 従来の種子呈色法ではF3種子まで ant28 の選抜は不可能であったが、本マーカーによってF2やBCnFの植物体において判別が可能となり、育種の効率化が図れる。特に戻し交配育種では、育種年限を大きく短縮することができる。

[成果の活用面・留意点]
1. 日本の大麦品種に対する ant28 の導入に有用である。
2. マーカー多型について知見の無い親を用いた組合せでは、マーカーの利用に際して事前の確認が必要である。
3. 本マーカーは ant28 に連鎖しているものの、稀に組み換えが生じることに留意しなければならない。

[具体的データ]
表1.ant28系統と通常型品種のF2におけるant28選抜マーカーOPAp1_1297-AccIの多型および種皮におけるPAの有無

表2.大麦品種系統におけるOPAp1_1297-AccIの多型パターン
図1.ant28選抜マーカーOPAp1_1297-AccIの1.8%アガロースゲルによる電気泳動像 図2.大麦染色体3HL上におけるant28と連鎖マーカーの連鎖地図
[その他]
研究課題名:プロアントシアニジンフリー遺伝子 ant28 の選抜に有効なDNAマーカー
予算区分:指定試験
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:春山直人、大関美香、五月女敏範、山敏之、渡邉浩久、沖山毅

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