石川県におけるダイズ品種「エンレイ」の狭畦栽培での増収条件


[要約]
ダイズ品種「エンレイ」を用い、条間37.5cm、株間18cm(2粒播き)とする狭畦栽培を行なうと、分枝節数の減少や着莢節率、粒茎比の低下が見られ、増収効果は認められない。増収させるには、株間を36cmとする等、節間の伸びを抑え分枝節数を増加させる必要がある。

[キーワード]ダイズ、エンレイ、狭畦栽培、粒茎比、着莢節、分枝節数

[担当]石川農総研・育種栽培研究部・作物栽培グループ
[代表連絡先]電話:076-257-6964
[区分]関東東海北陸農業・北陸・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
石川県のダイズ栽培では莢数不足や小粒化等により収量の低下が著しく、一部の地域では増収対策の一つとして狭畦栽培への取り組みが行なわれている。しかし、本県の主力品種であるエンレイを用いると主茎長が長くなりやすく倒伏を招きやすいため必ずしも増収につながっていない。そこで、「エンレイ」の狭畦栽培における増収条件を明らかにし増収技術の確立に資する。

[成果の内容・特徴]
1. 「エンレイ」を6月中旬に播種し、株間18cmの狭畦栽培(条間:37.5cm、苗立ち本数29.6本/m2、以下狭畦密植区)を行なうと、慣行区(条間:75cm、株間:18cm、苗立ち本数14.8本/m2)に比べ平均節間長が長くなり生育期間を通じ主茎長は長い(図1)。
2. 狭畦密植区では、株当たりの主茎節数は変わらないものの分枝節数が減少し、総節数が減少する(慣行区比:2ヵ年平均69)。さらに、着莢節率も低下するため、着莢節数の減少が大きく(慣行区比:2ヵ年平均61)m2当り節数の増加割合は少ない(表1)。
3. 狭畦密植区では、1節当りの莢数が少ないため子実重の増加は見られず、粒茎比が減少する(表2)。
4. 株間を36cm(条間:37.5cm、苗立ち本数14.8本/m2、以下狭畦標植区)とすると、主茎長は慣行区並みとなり、分枝節数の増加が見られる(図1表1)。また、着莢節率や粒茎比の低下が見られないため節数や莢数の増加から増収する(表1表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 「エンレイ」を細粒グライ土壌で6月中旬に播種した結果である。
2. 狭畦標植では、雑草が生えやすくなるため除草管理に注意する。

[具体的データ]
図1.主茎長の推移
表1.狭畦栽培が節数に及ぼす影響
表2.狭畦栽培が収量に及ぼす影響
[その他]
研究課題名:根圏環境の改善と生育診断による北陸産大豆の多収栽培技術の開発
予算区分:実用技術
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:畑中博英

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