ダイズ−オオムギ輪作体系における施肥方法の改善による窒素負荷低減効果


[要約]
ダイズ−オオムギ輪作体系において、緩効性肥料を利用した側条施肥を行うことにより、圃場からの窒素排出量が慣行栽培に比べ3割低減できる。

[キーワード]窒素負荷、緩効性肥料、側条施肥、ダイズ、オオムギ

[担当]石川農総研・資源加工研究部・生物資源グループ
[代表連絡先]電話:076-257-6911
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
富栄養化が問題視されている閉鎖性水域では、圃場からの窒素排出量を削減することが望まれている。そこで、閉鎖性水域である河北潟拓地で最も栽培面積の多いダイズ−オオムギ輪作体系について、緩効性肥料と側条施肥を組み合わせた施肥体系の窒素負荷低減効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. ダイズ−オオムギ輪作体系において、緩効性肥料を利用した側条施肥を行うことにより、収量は増加し、また子実の充実により外観品質も向上する (表1表2)。成熟期の窒素吸収量はダイズ作では増加し、オオムギ作では同程度である
2. 改善区の窒素総排出量は、施肥窒素量の削減および作物の窒素吸収量を反映して、慣行区に比べて34%低減し、とくにオオムギ作では窒素負荷低減効果が高い(表1表2図1)。
3. 排水量は、ダイズ作では改善区が慣行区の約1.3倍、オオムギ作では改善区が慣行区の約0.7倍、輪作体系としては両試験区で同程度である。排水中の平均窒素濃度は、この排水量の影響により、ダイズ作においては慣行区に対して改善区が35%低下するのに対して、オオムギ作におけるそれは10%の低下と程度は小さいが、輪作体系としては20%低下となる(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 明渠排水量に比べ暗渠排水量が多い灰色低地土での成果である。
2. 試験圃場では灌漑を行っておらず、流入水は全て降雨に由来する。
3. 調査はダイズ−オオムギ−ダイズ作付け体系下で行った。

[具体的データ]
表1 ダイズ作における施肥体系改善と収量および窒素吸収量(2作平均値)

表2 オオムギ作における施肥体系改善と収量および窒素吸収量
図1 暗渠・明渠からの窒素排出量 図2 排水中の平均窒素濃度
[その他]
研究課題名:閉鎖性水域等水質負荷軽減推進事業
予算区分:県単
研究期間:2008〜2009年度
研究担当者:宇野史生、梅本英之、北田敬宇

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