機能性展着剤の添加によるホウレンソウケナガコナダニの防除効果の向上


[要約]
機能性展着剤のポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステルをDDVP乳剤に添 加すると、土壌中のホウレンソウケナガコナダニの死虫率が高くなり、防除効果が向上する。

[キーワード]ホウレンソウ、ホウレンソウケナガコナダニ、機能性展着剤、防除効果

[担当]福井農試・生産環境部・病理昆虫研究グループ
[代表連絡先]電話:0776-54-5100
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
ホウレンソウケナガコナダニは、防除適期であるホウレンソウ2葉期〜6葉期には、土壌表層部の深さ0〜3cmに多く生息しているため、散布薬剤に接触しにくく防除効果が劣る。そこで、薬剤の浸透移行を高める作用のある機能性展着剤を添加し、防除効果の向上を図る。

[成果の内容・特徴]
1. DDVP乳剤1000倍液に機能性展着剤(ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル50.0%)を薬液の0.1%添加すると、DDVP乳剤のみの散布と比べて、土壌中のホウレンソウケナガコナダニの死虫率が高くなる(図1)。また、機能性展着剤の添加によって、薬液接触後の死虫率は高くなる(図2)。
2. DDVP乳剤1000倍液に機能性展着剤を薬液の0.1%添加すると、DDVP乳剤のみの散布に比べ、収穫時における寄生虫数、被害株率とも少なく、防除効果が向上する(表1)。
3. 機能性展着剤を添加したDDVP乳剤の1回散布は、DDVP乳剤のみの2回散布とほぼ同等の防除効果が認められ、機能性展着剤の添加によって薬剤散布回数が削減できる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 他の脂肪酸エステルを主成分とする機能性展着剤を使用した場合は、同様な効果が得られないことが考えられる。
2. ホウレンソウにおいて、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル50.0%は、濃度が高いと薬害の発生を助長するため、薬液の0.1%の濃度になるように添加する。

[具体的データ]
図1 機能性展着剤添加薬液処理による
土壌深度別死虫率 図2 機能性展着剤添加薬液接触後の死虫率
表1 機能性展着剤添加によるホウレンソウケナガコナダニの防除効果
[その他]
研究課題名:ホウレンソウケナガコナダニの発生生態の解明と防除対策の確立
予算区分:県単(一般試験研究)
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:高岡誠一

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