現地実態調査に基づくダイズ収量に対する石灰資材の施用効果


[要約]
土壌中の石灰量は土壌のpHと密接に関わっており、ダイズの収量に影響を及ぼしている。圃場のpHが高いほど開花期のアセチレン還元活性が高くなっており、収量も高い。また、苦土石灰や可溶性のケイ酸石灰およびモリブデン入微量要素材の施用により収量が高まる。

[キーワード]ダイズ、石灰資材、アセチレン還元活性

[担当]福井農試・生産環境部・土壌・環境研究グループ
[代表連絡先]電話:0776-54-5100
[区分]関東東海北陸農業・北陸・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
福井県の「水稲+大麦+大豆+水稲」の3年4作体系の中でダイズの収量低下が問題となっているが、土壌調査によると90年以降水田土壌のpHが低下してきており、ダイズの収量低下との関連を解明し、対応策を講ずる必要がある。
 そこで、福井県のオオムギ後作ダイズ圃場における土壌の理化学性と根粒の窒素固定活性(アセチレン還元活性)の関係を明らかにし、ダイズの収量向上を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 作土中の石灰飽和度(石灰量)とpHの間には正の相関が見られ、石灰飽和度が低く、pHの低い圃場ではダイズの収量が低下する傾向が見られる(図1)。
2. 現地調査の結果、土壌のpHと7月下旬から8月の根粒のアセチレン還元活性およびダイズの収量との間には相関が見られる(図2)。この時、水溶性モリブデンが増加する(図3)。
3. 苦土石灰や可溶性のケイ酸石灰およびモリブデン入り微量要素材の施用により、ダイズの収量が高まる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 資材施用試験は中粗粒灰色低地土で施用前の石灰量が100mg/100g(pH5.2)および200mg/100g(pH6.1)の圃場で行った。

[具体的データ]
図1 作土層の石灰飽和度と収量の関係
図2 現地圃場の土壌pH、根粒アセチレン還元活性(ARA)および収量の関係(2008年)
図3 土壌のpHと水溶性モリブデン量(2008年)

図4 石灰資材施用試験のpH、収量およびARA
[その他]
研究課題名:根圏環境の改善と生育診断による北陸産大豆の多収栽培技術の開発
予算区分:県単(2007)、国庫(実用技術2008〜2009)
研究期間:2007〜2009年度
研究担当者:坪内均、斉藤正志

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