3社のエコフィードの産卵鶏飼料への利用


[要約]
市販化されている3社のエコフィード15%を飼料原料と配合し、169〜476日齢までの産卵鶏に給与した結果、産卵成績では差がみられないが、卵殻強度及び卵殻厚はメーカー間で差がみられる。また、排泄ふん中含水率に差はみられる。

[キーワード]エコフィード、産卵鶏、産卵成績、卵質成績、排泄ふん中含水率

[担当]千葉県畜総研・生産技術部・養豚養鶏研究室
[代表連絡先]電話:043-445-4551
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
高タンパク質・高脂質と低タンパク質・低脂質に分別したエコフィードの採卵鶏飼料としての利用が可能なことは、これまで報告している。本研究では製造方法が異なる3社のエコフィードを産卵鶏に給与し、産卵成績等に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
 給与したエコフィードは、A社、B社、C社のものとする。A社、C社のエコフィードは食品未利用資源、売れ残り、調理屑など多様な原料を使っているが、B社のエコフィードは麺類工場からの残さである。それぞれのエコフィード並びに飼料配合後の粗タンパク質、粗脂肪、代謝エネルギーの値を表1に示す。
1. 給与割合は各社とも15%とし、飼料原料と配合する。また、対照としてエコフィードが配合しない群を設ける。
2. 168日齢の採卵鶏ジュリア144羽を用い、12羽×3反復/群の4群を設ける。試験飼料は169日齢から476日齢まで給与し、4週間を1期間として成績を取りまとめる。
3. 全期間平均の産卵率、卵重、産卵日量、飼料摂取量、飼料要求率に給与飼料による差はみられない(表2)。
4. 全期間平均の卵重、ハウユニットは給与飼料による差はみられない。卵殻強度はA社、卵殻厚はA、B社が低い値を示す(p<0.05)。卵黄色はA社が高い値を示す(p<0.05)(表3)。
5. 排泄ふん中含水率は、全期間の平均でC社が低い値を示す(p<0.05)(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 3社の異なるエコフィードは、いずれも産卵鶏の飼料原料として有効利用できることが期待されるが、B社のエコフィードは現段階では製造中止となっているので、使用できない。

[具体的データ]

(千葉県畜産総合研究センター)

[その他]
研究課題名:低・未利用食品残さの高度利用技術の開発
予算区分:実用技術
研究期間:2008〜2010年度
研究担当者:村野多可子

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