アテモヤ「ピンクス・マンモス」の食べ頃モデルの開発


[要約]
亜熱帯果樹アテモヤの食べ頃は、追熟時に食べ頃モデル(食べ頃の果実表面硬度を再現したシリコーン製樹脂片)と果実とを触り比べれば判断できる。

[キーワード]アテモヤ、食べ頃、モデル

[担当]三重農研・紀南果樹研究室
[代表連絡先]電話:05979-2-0008
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
亜熱帯果樹アテモヤは、収穫し完熟するまでは常温での追熟が必要である。適熟である食べ頃の見極めは、果実表面の柔らかさで判断している。しかし、消費者に食べ頃の柔らかさを伝えることが難しく、必ずしもおいしく食べられているとは限らないのが現状である。そこで、消費者に食べ頃を的確に伝える方法として、アテモヤ果実の表面を模したシリコーン樹脂で適熟の硬さを再現した食べ頃モデルを開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 果実の表面硬度は試食による熟度と相関が高いことから、果実表面の硬度で熟度が判断できる(図1)。
2. 硬さが段階的に異なるシリコーン樹脂製硬度指標と果実を試食した時の熟度との間にも高い相関が見られる。適熟(指数:3)に相当する指標の硬さは「4(デュロメータを用い、裏側平面を測定した硬度は31.7°)」である(図2)。
3. 試作したシリコーン樹脂製硬度指標4(図3)を適熟の硬さを再現した食べ頃モデルとして使えば、追熟時に食べ頃が容易に判断できる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 食べ頃モデルはそのまま握らずに机等の上に置いて、その表面と果実表面とを触り比べて利用する。
2. 食べ頃モデルは出荷時に果実とともに梱包し、消費者に利用してもらうとともに、レストラン等の事業所に提供し、食べ頃の見極めをマスターしてもらうようにすると良い。
3. 食べ頃モデルを作成するにはシリコーン裏側の平面硬度を参考にすると良い。

[具体的データ]
 

(須崎徳高)

[その他]
研究課題名:アテモヤ高品質安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2008〜2010年度
研究担当者:須崎徳高、市ノ木山浩道

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