カキ果実のビタミンC含有量は品種間差が大きい


[要約]
]カキ成熟果実の31品種のビタミンC含有量を比較すると、品種間で大きな差が認められ、果皮では約7.5倍、果肉では約4.9倍である。また完全甘柿の方が非完全甘柿よりビタミンC含有量は有意に高く、酸化型の比率は低い。

[キーワード]カキ、ビタミンC、品種

[担当]岐阜農技セ・野菜・果樹部
[代表連絡先]電話:058-239-3133
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]研究・参考

[背景・ねらい]
カキはビタミンCを豊富に含む食材であり、五訂日本食品標準成分表(文部科学省)では甘柿が70mg/100g、渋抜き柿が55mg/100gとなっている。近年、イチゴなどでビタミンC高含有品種が育成され、機能性成分に富んだ品種育成は今後の青果物の育種目標として重要である。カキにおいても、ビタミンC含有量の高い品種間の交配が含有量の高いF1を生じやすいことが報告されている。しかし、カキに含まれるビタミンC含有量の品種間差についてはほとんど報告されていない。そこで、現在の主力品種や近年の育成品種を中心に31品種(表1)のビタミンC含有量を調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 31品種の果皮中のビタミンC含有量は、最大は「基肄城」の326mg/100g、最小は「黒柿」の44mg/100gで、品種間で約7.5倍の差がある(図1)。
2. 完全甘柿22品種の果皮中のビタミンC含有量の平均値は218mg/100gで、非完全甘柿(不完全甘柿、不完全渋柿、完全渋柿)9品種の平均値の125mg/100gより有意に高い(表2)。
3. 果肉中のビタミンC含有量は、最大は「夕紅」の132mg/100g、最小は「黒柿」の27mg/100gで、品種間で約4.9倍の差がある(図1)。
4. 完全甘柿22品種の果肉中のビタミンC含有量の平均値は84mg/100gで、非完全甘柿9品種の平均値の47mg/100gより有意に高い(表2)。
5. ビタミンCに占めるデヒドロアスコルビン酸(酸化型アスコルビン酸)の比率は、完全甘柿より非完全甘柿で有意に高く、甘渋性により差が認められる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. ビタミンC含有量は、各品種毎に表1に示した収穫日に平均的な果皮色の果実を分析したものであり、熟度が異なると数値は変動することが予想される。また栽培地の違いや土壌条件等による変動は明らかにしておらず、含有量は必ずしも保証するものではない。
2. ビタミンCは、分解しやすい物質であり、脱渋処理や収穫後の日数経過によって含有量が減少することが報告されている。
3. 本成果は、ビタミンCを豊富に含むカキの品種育種を行う際に活用できる。

[具体的データ]
表1
図1 成熟果実のビタミンC含有量の品種間差(A:果皮、B:果肉)
表2

(新川 猛)

[その他]
研究課題名:ぎふクリーン農作物における機能性成分向上技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者:新川猛、尾関健、鈴木哲也、三宅紀子(新潟薬大)、倉田忠男(新潟薬大)
発表論文等:新川ら,園学研 10(2)

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