福井梅と魚骨カルシウムを使用したサプリメントの開発
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[要約] |
福井梅の濃縮果汁に重量比で40のデキストリンを溶解し、噴霧乾燥することで粉末化が行える。この粉末に含まれる有機酸と中和反応しない魚骨カルシウム素材を用いることで、品質の安定したチュアブル(噛み砕ける)タイプのサプリメントが製造できる。
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[キーワード]福井梅、カルシウム、サプリメント |

[担当]福井農試・食品加工研・食品産業支援研究グループ
[代表連絡先]電話:0776-61-3539
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及 |
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[背景・ねらい] |
福井梅の利用拡大を図るため、果汁を粉末化し食品素材として利用を検討することとし、カルシウム素材製造販売企業と共同で、梅果汁粉末を利用し、梅の風味を活かしたおいしく手軽に摂取できるチュアブル(噛み砕ける)タイプのカルシウムサプリメントを開発する。 |
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[成果の内容・特徴] |
1. |
紅サシ濃縮ウメ果汁(5倍濃縮)を用い、噴霧乾燥試験機(ヤマトGB−21)でさらっとした粉末にするには、重量比で果汁の40%以上のデキストリンが必要である(表1)。 |
2. |
パイロットスケールでの噴霧乾燥では、ロットの拡大により乾燥粉末の回収率が大幅に向上し、重量比で果汁の35%以上のデキストリンでさらっとした粉末の製造が可能である(表1)。 |
3. |
乾式造粒の打錠において、カルシウムの割合が多いと、成形性が悪く、打錠時のキャッピングがみられたが、最終的にカルシウム48%、濃縮ウメ果汁粉末11%、賦形剤等39%(図1)の配合で打錠(打錠圧2000kgf/cu)することで、製品規格に適合した錠剤の成型が可能となる。 |
4. |
ホタテ貝カルシウムで試作したサプリメントは、安定性加速試験1カ月経過後にウメ果汁の有機酸と炭酸カルシウムとの中和反応による黒い斑点が生じ、粒がもろくなるが(図2、表2)、リン酸カルシウムが主体である魚骨カルシウムで試作したサプリメントは、粒の外観変化が少なく硬度変化が10%以内で、品質が安定で製品規格に適合する(図2、表2)。 |
5. |
このように調製したサプリメントに含まれるカルシウムは、1粒あたり80mg以上である。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
噴霧乾燥における機械の噴霧量等の条件設定は、機械ごとに実際に試して最適な条件を検討する必要がある。 |
2. |
サプリメントは、吸湿性が強いため、商品の包装はアルミ袋等の湿気防止に対応したものが望ましい。 |
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[具体的データ] |
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[その他] |
研究課題名:農林水産業者等提案型共同研究事業
予算区分:県単
研究期間:2008年度
研究担当者:大浦剛、山本誠一(カワイマテリアル株式会社)
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