新潟県における良品質黒大豆「東山黒215号」の品種特性


[要約]
黒大豆「東山黒215号」は、裂皮が少なく外観品質に優れ、煮豆の加工性に優れる中生の系統である。

[キーワード]黒大豆、「東山黒215号」、裂皮、煮豆

[担当]新潟農総研・作物研・栽培科(水田高度利用)
[代表連絡先]電話:0258-35-0836
[区分]関東東海北陸農業・北陸・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
新潟県では黒大豆品種として「信濃早生黒」が主に栽培されているが、近年裂皮粒の発生が著しく、生産者から裂皮が発生しにくい高品質黒大豆の要望が高い。そこで、生産者と連携し優良品種を選定することにより、高品質黒大豆の安定生産を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 「信濃早生黒」と比べて開花期は約2日早く、成熟期は「信濃早生黒」と同等から約4日遅い中生品種である(表1)。
2. 「信濃早生黒」と比べて主茎長はやや高く、主茎節数は同等、分枝数はやや多い。最下着莢高は低いが、10cm以上の高さを有している(表1)。
3. 「信濃早生黒」と比べて有効莢数はやや多く、百粒重は同等であり、収量は同等〜やや多い(表1)。
4. ダイズモザイクウイルス抵抗性は極強である。また、「信濃早生黒」と比べて裂皮粒およびしわ粒が少なく、子実の外観品質は優れる(表1)。
5. 煮豆の食味官能試験では「信濃早生黒」より色・外観が優れ、食味はほぼ同等である。そのため「信濃早生黒」より煮豆の食味評価は優れる。(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 普及対象地域は新潟県下全域。
2. 栽培方法は「エンレイ」に準じる。
3. ダイズモザイクウイルス抵抗性は極強であるが、防除は必ず行う。

[具体的データ]

(新潟県農業総合研究所)

[その他]
研究課題名:大豆系統適応性検定試験
予算区分:指定試験
研究期間:2006〜2010年度
研究担当者:藤田与一、服部誠、佐藤徹、西脇俊和、浅野聡、野呂渉、諸橋敬子、下條明、渡辺聡

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