遺伝子組換えによるトマト等の成分変化を検定する手法の開発の一環として細胞毒性を指標としてトマチン等のグリコアルカロイドの生物検定法を設定した。
トマトには、トマチンに代表される有毒なグリコアルカロイド(GA)が含まれており、遺伝子組換え操作等によりGAの含量が変化する可能性がある。GAの変動のアセスメント手法を開発することを目的とし、GAの細胞毒性を指標とするバイオアッセイの検討を行った。
トマト果実の成熟に従いトマチン含量は変化する。サンプリング後は、凍結保存する必要がある。また、標準品としてのトマチンはメー力一によって純度が異なることにも注意が必要である。培養動物細胞を用いるバイオアッセイ法は、無菌室等の設備や無菌操作等の習熟が必要である。一般的には、高速液体クロマトグラフを用いる分析評価法から取り組む方が成功率が高いと推察される。
研究課題名: 細胞毒性を指標とするグリコアルカロイドの測定法の開発
子算区分: バイテク(組換え体高度利用)
研究期間: 平成7年度(平成5〜7年)
研究担当者: 一色賢司、浅野正博、小塚大生
発表文献等: Some experiments for assessing the food safety of tobacco mosaic virus-resistant tomato,Procceding of the biosafety results of field tests of genetically modified plants and microorganisms,3,p.213-217(1995).バイオアッセイによるトマトの中のトマチンの測定、日本食品科学工学会誌、43,p.275-280(1996).