[ ここから本文 ]
現代は、仕事のスピードが速くなると同時に、仕事の正確さも要求され、 ストレス社会とも言われている。ストレスは、特に中高年の人の体調を崩 す原因となっており、がんや心血管系疾患を引き起こすことが知られている。 そこで、食品中の抗ストレス成分の探索や抗ストレス作用を有する食品の 解明に役立つ抗ストレス機能評価法について述べる。なお、本法では、強 制水泳によるストレスで生じた胃潰瘍を観察することにより、抗ストレス 効果を評価している。 準備 【装置】 1. マウス用ドラム式強制水泳装置 (1)縦23×横7.7×深さ18cmの水槽 (2)回転ドラム装置 (3)東洋産業株式会社製等 2. 実体顕微鏡 (1)写真撮影装置及びファイバ照明装置 (2)接眼レンズ10×、対物レンズ1× 【動物】 1. マウス (1) ICR系等 (2) 一般には雄性 (3) 1群10匹以上 2. 気温24℃、湿度60%程度の室で飼育 3. 室の照明は12時間の明暗 操作の実際 1. ドラム式強制水泳装置の水槽に約25℃の水を13cmの深さまで入れる。 2. マウスを30分間水泳させる。 3. 水泳終了後、直ちにけい骨脱きゅうにより死亡させる。 4. 素早く開腹し、胃を摘出する。 5. 胃の内壁が見えるように切り開く。 6. 胃の内壁に出血があるか否かを観察すると同時に写真を撮る。 データの取りまとめ 1. 胃内壁の写真から、出血箇所の数を測定する。 2. 出血が認められたマウスを数え、出血箇所数を統計処理する。 参考文献 1) Nomura,S.,Shimizu,J., Kinjo,M.,Kametani,H. and Nakazawa,T.: Eur. J. Pharmacol., 83, 171-175, (1982) 2) 内藤 宏、山岡功一、野村総一郎:薬物・精神・行動、12、 195-111 (1992) 3) 林 載臭、鈴木平光、日本食品科学工学会誌、45、N100 (1998) (鈴木平光)
[ ここまで本文 ]