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2013年07月18日
胴割れとは米粒の内部に亀裂が生じる現象で、精米するときに砕けやすくなるため、コメの流通過程で大きな問題となります。胴割れは刈り遅れや収穫後の急速な乾燥で増えることが知られていましたが、近年頻発している高温登熟条件でも発生しやすいことがわかってきました。
そのため、高温条件で胴割れしにくい品種を探し出し発生メカニズムの解明に生かしたり、その品種を交配親として利用することで胴割れに強い品種を育成することが重要となっています。
そこで、20品種を3カ年のべ7作期にわたって栽培して胴割れ耐性の品種間差を評価しました。その結果、「はなの舞」、「ハナエチゼン」、「にこまる」、「ひめのまい」、「塩選203号」が他の品種と比較して胴割れが少ないことが明確になりました。その中でも中国由来のインド型品種である「塩選203号」は高温条件での胴割れ発生が特に少なかったため、農研機構ではこの品種を交配親に用いた新たな胴割れ耐性品種開発への取り組みを始めています.
関連資料
研究成果情報: 高温登熟条件における水稲の胴割れ発生の品種間差
論文: 長田健二,佐々木良治,大平陽一 (2013) 高温登熟条件下における米粒の胴割れ発生の品種間差異.日作紀 82(1): 42-48.