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農研機構 気候変動対応プログラム

農研機構 気候変動対応プログラム 技術情報

地球温暖化でリンゴが甘くなっている

2013年08月20日

温暖化に伴い穀物の収量などがすでに増減し始めていることが、世界各国から報告されています。しかし、消費者の関心の高い、青果物の食味に対する影響は明らかにされていませんでした。

農研機構・果樹温暖化対応プロジェクトでは、長野県果樹試験場および青森県産業技術センターりんご研究所と共同で、過去30~40年にわたるリンゴの品質データを分析した結果、温暖化に伴って酸含量が減るなどにより、リンゴの甘みが増すという食味の変化が起きていることを解明しました。

この変化は、春先の温度上昇で発芽や開花が早期化し、果実の生育期間が長くなる傾向にあることと(生育期間が長いほど酸が減り、糖が増えます)、果実の成熟期の温度が高くなり酸含量の減少が進みやすくなることで説明できます。

得られた知見は、温暖化に伴い甘味が増すことを踏まえ、高温条件下での高着色性など高温耐性はあるものの酸味が強い品種の活用など、これまでの高温障害対策とは異なる新しい温暖化適応対策にもつながります。

果樹温暖化対応プロジェクト

関連資料

論文: Changes in the taste and textural attributes of apples in response to climate change

Nature news: Climate change threatens crunchy, tart apples

プレスリリース:地球温暖化でリンゴの味が変化している―温暖化が農産物の味にも影響を与えることが明らかに―

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