LWD種,去勢,115日齢,死亡例.2006年3月16日,繁殖豚8頭を飼養する一貫経営農家において,肥育豚1頭が元気消失,食欲減退,呼吸促迫,起立困難を呈し,翌日死亡した. 剖検では皮下,腹膜及び腎臓に点状出血がみられ,主要臓器は褪色し,体表リンパ節は腫大していた. 組織学的に,肺(提出標本)では腫瘍細胞が毛細血管内に充満しており(図34A),そのため肺胞壁が肥厚していた.この腫瘍細胞は中型〜大型で円形〜類円形の核を有し(図34B),一部では強い異型性もみられた.他臓器では,腎臓の間質,肝臓の小葉間結合組織と類洞内,皮膚の毛細血管内に,脾臓及び体表リンパ節では固有構造を置換して,腫瘍細胞が浸潤増殖していた.この腫瘍細胞について免疫組織化学的検査を実施したところ,CD79a(DAKO) に陽性, TdT(DAKO)に弱陽性,CD3(DAKO)に陰性であった. 病原検索では,病原細菌及びウイルスは分離されなか った. 以上の結果から,本症例は豚白血病(前駆Bリンパ芽球性白血病)と診断された.類似日齢の兄妹豚2頭にも同疾病が発生しており,遺伝的要因が疑われた. |
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