15 豚サーコウイルス2型(PCV2)による豚の肉芽腫性リンパ節炎,豚の表在性化膿性皮膚炎 〔矢島佳世(栃木県)〕

 WD種,雌,59日齢,鑑定殺.母豚115頭を飼養する一貫経営農場において,2〜3年前から同腹豚で離乳後〜子豚期に皮膚の発疹及び下痢を呈し発育不良となる個体が認められていた.2011年4月にも2腹の群の数頭の全身の被毛にスス病様び漫性黒色痂皮状物の付着が認められたため,発症豚について病性鑑定を行った.

 剖検では,全身のリンパ節の腫大,空腸壁の肥厚が認められた.

 組織学的には,体表リンパ節にリンパ濾胞の反応性増生,多核巨細胞を伴うマクロファージの集簇が認められ,リンパ洞では好中球及び好酸球の中等度浸潤が認められた.耳介皮膚では,表皮角質層に炎症細胞及び壊死退廃物が層状に認められた(図15).有棘層では乳頭状に過形成が認められ,真皮及び皮下組織には軽度の水腫性肥厚,リンパ球及び好中球の軽度浸潤が認められた.その他,腎臓では非化膿性間質性腎炎が認められた.抗PCV2家兎血清(動衛研)を用いた免疫組織化学的染色では,体表リンパ節のマクロファージ集簇巣及び腎臓の炎症細胞浸潤巣で多数の,皮膚の汗腺上皮では少数の陽性反応が認められた.なお,皮膚ではPCV2の特徴病変が認められなかったため,皮膚病変におけるPCV2関与の可能性は低いと考えられた.

 病原検索では,皮膚から Staphylococcus chromogenes が分離された.

 以上のことから,本症例は,豚サーコウイルス関連疾病と診断された.

豚サーコウイルス2型(PCV2)による豚の肉芽腫性リンパ節炎,豚の表在性化膿性皮膚炎