4 鶏の肝臓の Leucocytozoon sp.による多発性巣状壊死及び肉芽腫性心筋炎 〔和久田高志(静岡県)〕

 ウコッケイ,採卵鶏,雌,日齢不明,斃死例.約200羽のウコッケイ等を平飼する採卵鶏農家で2009年8月に30羽,9月に10羽が斃死したため,9月24日斃死の1羽について病性鑑定を行った.同日確認された食欲不振鶏3羽は貧血を呈していた.栄養状態は良好で,総排泄腔外部に緑色便が付着していた.

 剖検では,肝臓は褪色し,境界不明瞭な白斑及び出血斑を伴い腫脹していた.心臓には出血斑が認められた.

 組織学的に,肝臓では肝細胞の空胞変性や壊死巣が多発性に認められた(図4A).中心静脈や類洞等はうっ血により著しく拡張し,マクロファージの浸潤も認められた.類洞では多量のヘモジデリンを貪食したクッパー細胞が散在していた.まれにメロゾイト放出後のロイコチトゾーン第2シゾント包膜を多核巨細胞,リンパ球が取り囲む肉芽腫が認められた.心臓では心筋線維間に第2シゾント及び第2シゾント包膜を中心にした肉芽腫(図4B)が多数認められた.脾臓では第2シゾント包膜を囲む肉芽腫,赤脾髄の好酸性や褐色顆粒を貪食するマクロファージの増生が認められた.腺胃では第2シゾント,肺,腸間膜リンパ節では肉芽腫が認められた.

 肝臓の壊死は第2シゾントによる塞栓あるいは,ガメートサイトの寄生した赤血球による血流の低下が原因と推察された.国内の鶏のロイコチトゾーン病に関しては Leucocytozoon caulleryi が問題となるが,本症例では種の同定をしていないことから原因は Leucocytozoon sp.とされた.

鶏の肝臓のLeucocytozoon sp.による多発性巣状壊死及び肉芽腫性心筋炎