7 鶏の伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)ウイルスによるファブリキウス嚢の間質炎症性水腫を伴うリンパ濾胞壊死 〔竹馬 工(三重県)〕

 肉用鶏,チャンキー種,雌雄不明,42日齢,斃死例.2011年春に約50,000羽を飼養する農場において,某日入雛の約5,000羽の鶏群で4日間に3.2%の斃死がみられた.IBDワクチンは未接種であった.

 剖検では,ファブリキウス嚢(F嚢)の水腫性腫大と黄色化,粘膜の充血及び出血が認められた.

 組織学的には,F嚢のリンパ濾胞におけるリンパ球の核崩壊を伴った重度の壊死や細網細胞への置換,一部に出血が認められた(図7).リンパ濾胞間結合組織は水腫状を呈し,偽好酸球及びマクロファージの浸潤が認められた.家兎抗IBDウイルス血清(動衛研)を用いた免疫組織化学的染色ではF嚢のリンパ濾胞及びマクロファージ内に陽性反応が観察された.

 病原検索では,F嚢乳剤と抗IBDウイルス抗体によるゲル内沈降反応法やF嚢凍結切片を材料とした蛍光抗体法は陽性を示した.遺伝子検査ではIBDウイルス特異遺伝子が検出され,シークエンスの結果,高度病原性ウイルス株の系統に分類された.なお,RFLPによる簡易型別検査では主要ワクチン株や過去に報告された高度病原性ウイルス株とは切断パターンが異なっていた.

 本症例はF嚢以外に共通した病理所見がなかったものの,高度病原性の伝染性ファブリキウス嚢病と診断された.

鶏の伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)ウイルスによるファブリキウス嚢の間質炎症性水腫を伴うリンパ濾胞壊死