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1 牛の牛RSウイルス(BRSV)による好酸性細胞質内封入体を伴う合胞体がみられた気管支間質性肺炎 〔石原 未希(富山県)〕

 交雑種,去勢雄,15カ月齢,斃死例.2016年6月,肉用牛約250頭を飼養する農場で本症例が食欲不振及び流涎を呈し斃死したため,病性鑑定を実施した.当該農場では50及び80日齢時に細菌3種混合不活化ワクチンを接種していた.

 剖検では,右側胸壁と肺前葉の癒着が著しく,両側で肺前葉から後葉の一部にかけて暗赤色を呈していた.前葉割面では膿瘍が認められた.両側肺後葉は気腫を呈し,割面では小葉間結合組織が明瞭であった.気管粘膜は広範囲で暗赤色を呈し,気管支腔内に白色泡沫様物が貯留していた.

 組織学的に,肺後葉では細気管支上皮細胞の壊死・脱落,炎症細胞滲出,上皮細胞の増生と好酸性細胞質内封入体を伴う合胞体性多核巨細胞が認められた.周囲の肺胞ではU型肺胞上皮細胞の増生・合胞体形成及び肺胞壁の肥厚が認められた(図1A,B).肺胞内には好中球やリンパ球,マクロファージが浸潤し,硝子膜の形成も散見された.マウス抗RSV単クローン抗体(AbD社,U.K.)を用いた免疫染色で合胞体に陽性反応が認められた.その他,肺前葉ではグラム陰性細菌の集簇を伴う化膿性気管支肺炎が認められた.

 病原検査では,肺乳剤を用いた簡易ウイルス検査でBRSV 陽性反応,RT-PCRでBRSV特異遺伝子が検出され,細菌培養でPasteurella multocida が分離された.

 以上から,本症例は牛RSウイルス病及び牛パスツレラ症と診断された.

気管支間質性肺炎